2019年12月12日

設定を先に出すべきか、後に出すべきか

基本は先に出したほうが良いと思う。


初出で設定を埋められないことがある。
他のことをすることでいっぱいだとか、
そこでやるともたつくとか。

そういうときは、伏線を張っておくとよい。
初登場時に何か謎なり気になる何かなりを振っておいて、
「あのときのあれはこれだったのだ」
という話から、設定部分へ移行すると楽だ。

突然説明や設定を始めると、すごく不自然だ。
それを不自然にしないために、
伏線を使うとよい。
すくなくともそれが印象に残っていれば、
自然とその流れになっていくだろう。

こういうテクニカル的なことをしなければいけないので、
設定は最初に仕込むといいわけだ。
初登場になるべく設定をしたければ、
その人を単独主人公にしたようなセットアップからはじめれば、
本編に接続出来るだろう。
(ときどき設定をちゃんとしすぎて、
主人公を喰ってしまうことや、
スピンオフになってしまうことはよくあることだが)

主人公かどうかは、
結局、もっとも苦悩が深いかとか、
最終的な活躍にどれだけメインになるかとか、
もっとも感情移入が深いかで決まると思う。

最初に感情移入してしまったものが、
再設定で別のキャラクターに行ってしまうようであれば、
再び主人公に感情移入させるため、
新しい設定を持ち込んであとづけしていくこともよくあるわけだ。


設定と進行をなるべく分けるべきじゃないし、
設定しながら物語が進んでいく、両輪になるのがベストだ。
何に焦点を当てていくべきかでいうと、
「興味の誘導」こそが大事で、
それに興味がない時点で失敗しているとも言える。


とくに新キャラを出すタイミングで悩むことになると思う。
一節設けるかどうか、悩みどころだ。
ということは、
新キャラが出るタイミングの少し前に、
そのキャラクターへの興味を誘導しておき、
焦点をそちらに振っておくと、
その話がしやすい。

その場になって困るのではなく、
逆算で書くということは、そういうことである。

場当たりで書いているとできないことなので、
出来るようになると、巾が広がるだろう。

後出しが有効な場合はそんなにないと思う。
より深く描く二段階を経られるなら、
先出しをしてからさらに重ねて設定したほうが、
より重層的になるだろう。
posted by おおおかとしひこ at 14:47| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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