星占いや四柱推命の性格分類では、
自分軸と他人軸で大きく人を二つに分ける。
自分軸が自分から発した理由で行動する人、
他人軸が他人から発した理由で行動する人。
星座では、
火と地、つまり、牡羊座、牡牛座、獅子座、乙女座、射手座、山羊座が、
自分軸。
風と水、つまり、双子座、蟹座、天秤座、蠍座、水瓶座、魚座が、
他人軸。
これらは基本性格は真逆だ。
真逆だから理解できないとか、
真逆だから気をつけて理解してあげようとかは、
まだ日常のTIPSに過ぎない。
作家は、これを物語に利用する。
自分軸は、自分の理由で行動するキャラクター、
他人軸は、他人の理由で行動するキャラクターだとすれば、
そこにはコンフリクトが生まれる。
単純な正義と悪の対決だとしても、
「自らの理由で悪事をする悪vs被害者のために闘う正義」
と、
「自らの理由で正義を貫く正義vs誰かのためにあえて悪を行う悪」
と、
「自らの理由で正義を貫く正義vs自らの理由で悪事をする悪」
と、
「被害者の為に闘う正義vs誰かのために悪事をした悪」
では、
ストーリーの質が全く違うわけである。
自分軸同士の喧嘩は死ぬまで引かないだろう。
他人軸同士の喧嘩は、他人からの批評や依頼で変質するかもしれない。
変化せずに貫くのか、変化して変質するのかは、
展開や構成に影響する。
物語は他人を描くべきだ、
と僕は常に言っている。
あなたが自分軸の人ならば、他人軸の人を主人公にしてはどうだろう。
依頼された仕事をこなす、告白される、
他人の評価ばかり求めて自分を失う、
成功しても他人から評価されない、
などの話を書くことができる。
あなたが他人軸の人ならば、自分軸の人を主人公にしてはどうだろう。
自らやりたいことを仕事に変える、告白する、
自ら突き進んで味方を失う、
成功しても自己満足できない、
などの話を書くことができる。
自分軸と他人軸は、どちらが正しいとかはない。
外面の結果が同じで行動が同じでも、
内面の動機が違うだけの話である。
誰かのために何かをしたのか、
自分のために何かをしたのか、
その違いだ。
で、
誰かのために何かをしたが、それは自分のためでもあった、
自分のために何かをしたが、それは他人のためでもあった、
ようにすれば、
どちらも自他幸福のハッピーエンドになるわけで、
入り口と途中が違ったとしても、
結末は同じになる。
ルートは沢山あるが、頂上は同じなわけで、
そのルートの違いこそが、
人生の違いになるわけで、
「他人の人生を経験する」ことこそ、
物語であるわけだ。
つまり、あなたは誰か他人の人生を疑似体験させるために、
物語を書くはずである。
カップルやコンビはどうだろう。
自分軸同士のワガママカップル、
他人軸同士の決められないカップル、
自分軸がリードし他人軸がフォローするカップル。
恋愛相性的には最後のものがよいとされるが、
よい相性だけが物語ではない。
最悪だけど離れられない、そんな組み合わせの方が面白かったりするよね。
男女を逆にするだけでも味わいは変わる。
上司と部下、親友、同僚、前線と軍師、
などなどでいくらでも変わり得る。
よくあるパターンの逆張りだけではなく、
こうしたことを考えた上で作ってみると、
新しいパターンの物語になるだろう。
二人ではなく三人なら?
四人や五人なら?
もうこうなると組み合わせは無限になってくる。
こうして豊かな人間群像劇になるわけなのだ。
性格の描き分けに星座を使うのは、
よく知られた方法論だが、
12を使いこなすのが難しい。
ということで、
大雑把に2で分ければ、
2のn乗個の物語を考え出すことができるわけ。
分類をざっくりやっても、パターンが多ければ有効だ。
これにシチュエーションや事件を変えるだけで、
全く別のストーリーに見えてしまうだろう。
あなたに似た登場人物はついつい肩入れしてしまうか?
あなたにない部分を持った登場人物に、
ついつい肩入れしまうだろうか?
どちらも自分にあり得ることを自覚するだけで、
感情や無意識のコントロールに役に立つ。
2019年12月14日
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