2019年12月17日

タイトルは過去形か未来形か

魅力的なタイトルはどういうものだろう。
まずは過去形か、現在形かで考えよう。


そのタイトルが、
過去の何かを意味している場合、
比較的強烈なヒキを作ることができる。

「岡山の連続殺人事件、驚愕の真実」
などと簡単に作ることができる。

過去にあった、
すごい謎、すごい事実、すごい何かを知ることは、
人の知的欲求を満たすから、
「凄そうな何か」をヒキにしやすい。

しかし過去のことを暴いて、
それを知って終わりな物語は、
ただのレポートと何が違うのかってことだ。

それは過去の事実(創作も含め)が面白いのであって、
ストーリーが面白いというわけではない。
ネタが面白いだけで、
「凄かった」だけで終わり、
感動や人生に影響を与えられるほどでもないだろう。

僕は、タイトルが過去形のものは信用しない。
ネタ出しで終わっていて、
調理は大した腕がないと考える。
それがタイトルに滲み出ていると。


現在形や名詞どめのタイトルはまだマシかも知れない。
経験上、「場所の名前のタイトル」は大抵駄作だ。
その場所の由来が過去にあり、
現在や未来が面白くならないからである。

主人公の名前がタイトルになっているものは、
主人公の過去現在未来が含まれるから、
面白くなる要素はあるが、
ハズレもある。
主人公は魅力的でもストーリーがつまらない場合が多いかもだ。


僕は、理想のタイトルは未来形であるべきだと思う。
物語は未来に向かって進むものであり、
それが終えた後も、未来へ影響を与えるべきだと考えるからだ。

たとえば「いつかギラギラする日」は、
タイトルとしては非常にキレが良い。
内容はしらん。

未来形のタイトルは、新しい提案を持ってきてくれると思う。
勿論、それがテーマに関係する何かであることは、
言うまでもない。
ストーリーの展開や結果が、
我々の人生や未来に影響を与えるほどの強烈な何かこそ、
我々が物語に求めるものであることを、
我々は忘れてはならない。


タイトルは最後に付け直すことができる。
そのタイトルを、未来形で書くことが出来れば、
それはよくできた話である可能性は高いのではないか?
(勿論タイトル負けしてはならないが)

その志に足りなかった話が現在形のタイトルになり、
どうしようもないのがネタのヒキで過去形のタイトルになるのではないか?

経験による仮説だが。


タイトルの時制をずらしてみよう。
あなたは今どこを見ているのか?
posted by おおおかとしひこ at 09:37| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。