2019年12月21日

【キーボード】;ってなんなんだ?

何故右小指中段といういい位置に、「;」セミコロンがあるのか?
謎なんだよね。


キー数の少ない自作キーボードでは、
右小指中段の「;」、下段の「/」は、
省略する傾向がある。

たとえば;の代わりにエンターを置いたり、
/の代わりにレイヤーキーや右シフトを置いたりだ。

日本語入力に限っていえば、
;位置にエンターを置くのは賢明な判断だと思う。
ホーム位置即エンターは、
変換確定前提の日本語入力に強力な武器になるだろう。

しかしそもそも;は日本語入力の為のベストだからそこに置いたのではなく、
英語のキーボードにあったから、
しょうがなく置いただけだろう。


で、気になった。

プログラミング言語(cなど)で文末記号として;が使われるのは知ってるけど、
プログラミング言語が生まれる前、
英語言語において、;ってどういう使われ方をしてたの?

ベストアンサーが一発で出てきた。
セミコロン(;)とコロン(:)の違い、使い方を徹底解説
https://www.fourskills.jp/semi-colon-colon-study

河合塾大阪校の講師が、
「;を英作文で使えるようになったらネイティブ並」
と言ってたのを思い出した。
たしかに、これは日本人では太刀打ちできない。
:は使えても、;まで使いこなすのは相当な慣れがいるね。

;の前後は完全文である必要がある、
ということから、cで文の区切りに使われたのは、
:ではなく;だというのは、ネイティブ的に理解できた。

で?
なんでUS配列では;が単打で、:がシフトなのだろう?
cなどのプログラミング言語が先で、
キーボードの右小指が後ならばその関係も理解できる。
なるほど、右小指は文を区切るためにあるのかと。

じゃあcの仕様がピリオドでもよかったし、
「;エンター」がマクロでも良かったかも知れない。

自作キーボードは、プログラミングが仕事の、
エンジニア達が牽引してきたから、
;に関しては一家言あるだろう。

しかしこと自然言語においては、
;は/くらい出ない記号ではないだろうか?
このキーいらんやん。


日本語入力だけを考えるなら、
エンター、BS、ーあたりが代替候補になるだろうか。
レイヤーキー+エンターで「;エンター」にすれば、
日本語もプログラミングも、直感的になるのでは?
(英語ネイティブは困るだろうか?
そもそも;は殆ど使われないのに)

ちなみに日本語入力では、
おおよそ10%エンターが使われる。
;と単純に取り替えたってお釣りがくる。
日本語入力でエンターキーを確定にしたやつは、バカだと思う。
小指折られてしまえ。


で、レミントンのタイプライターを画像検索すると、
すでに右小指中段が、「;」そのシフトが「:」になってるんだよね。
この時代にプログラミングの為にタイプライターを使ったわけではなく、
純粋に自然言語を書く為の道具のはず。
ということは、ここに;があったからcの文区切りが;になった、
と考えた方が自然だろう。

しかも頻度から考えれば、:が単打で;がシフトに回るべきだろ?

;、何のためのキーなのか?
?!"あたりの方が使うと思うが?
詳しい人いたら解説してください。
(ちなみにJP配列で、;:が単打で並んでいる理由も謎。
記号に関してはIBMが推奨したものをそのまま使った説があるそう)

qwertyのアルファベットだけが不合理ではなく、
記号もおかしいと僕は思うんだよね。


マイナーだから適当に突っ込んどけ、
なんてのは設計としてぬるい。
マイナーだが、いざ使うときは運指が考えられて合理的だ
になるべきだと思う。
(ちなみに今薙刀式では、最マイナーな「ぬ」の位置に悩みだした)
posted by おおおかとしひこ at 14:49| Comment(7) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
JISキーボードの記号配置は基本的にASCIIの順序に沿っています。Shiftキーを上位ビットの変換だけに使い、下位4ビットはそのままにできることで、テレタイプの設計を容易にする意図があったようです。
ASCIIが制定(1963年)されてから、上記のアイディアで作られたテレタイプ機「ASR-33」が普及し、JIS配列制定に当たってこれをベースにしたようです。ASR-33と少し配置は異なりますが、;:が単打なのはテレタイプの時点からのようです。ASR-33の「:*」は0の右なので今以上に打ちづらい位置だったようです。

USキーボードはIBM PCの記号配置をベースにしているので、JISキーボードとは違う経緯を辿ったようです。
Posted by うぇぶしま at 2019年12月22日 18:39
うぇぶしまさん情報ありがとうございます。

となると、そのASCII順がどうやって決められたか、
というのが次の疑問になってしまいますね。笑
(ぱっと調べてもノイズが多すぎて調べられず)

ASCIIなぞないレミントンタイプライターで、
すでに右小指中段は「;(シフト:)」なので、
現状維持(デファクト)でASCIIが決められたのでは、
と想像しました。
その他のタイプライターの写真では必ずしも;ではないけど、
レミントンは;しかなかったです。

英語話者からしても:より;優先は不思議なはずなんだけどなあ…謎。
(タイプライターの構造的にも、文法的にも、
.,のシフトに:;が来るべきじゃないの?…)
Posted by おおおかとしひこ at 2019年12月22日 19:07
安岡さんの「QWERTY配列の変遷100年間」の、
https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/qwerty01

(2)を見ると、1872年7月時点のキー配列で初めてセミコロン;が登場して、コロン:は無かったようです。その次の配列で:が、いかにも "付け足された" みたいな位置に追加されてますね。シフト機構が無かったからとりあえず外側に増やしたんでしょうか。

先にセミコロン;が登場してコロン:が無かったということを考えると、当時の使われ方だとそういう優先順位だった?と想像してみましたけど、根拠はわかりませんでした。

あと、当時のキー配置は相当頻繁に変わっていたみたいなので、;:があった・無かった、というのも当てにならないんじゃないかと思いました。



US配列の変遷は(4)、JIS配列の変遷は(5)。
うぇぶしまさんが書かれた "ASR-33の「:*」は0の右" についても図が見れます。

『QWERTYの謎』を読んだ限りでは、むしろ国際規格としてJIS配列の元になっているテレタイプの「Logical Bit Pairing」でだいたい統一しようとしていたのに、IBMが難色を示してどうにかこうにか逆転して「Typewriter Pairing」のほうをアメリカに普及させたという感じでした。

そこらへんをノイズ排除して調べようと思ったら安岡さんのWebやスラドや書籍見ることになると思いますがなかなかカロリー高めですね。
Posted by パソ活 at 2019年12月23日 01:43
あと、実際の英文で;:が使われているのか調べる方法のひとつとして、ユーザーが文を投稿できるタイピング練習サイト「Key Hero」で
https://www.keyhero.com/quotes/

全体で約1000ページ(2万問)ある中からSearch欄で検索してみると
セミコロン;126ページ分(2500問以上)
コロン:107ページ分(2120問以上)
で、セミコロンが含まれる文章は多いようです。
Posted by パソ活 at 2019年12月23日 01:57
パソ活さんコメントありがとうございます。

大変興味深いところを調べて頂いてありがとうございます。
記号の所は「固まる前に固めた」ような気がしていて、
おそらく過去も現在も、
記号部分まで使いこなしてるネイティブは少ないんじゃないか、
と想像しています。

しかし;>:というのは、にわかに信じがたいですね。
個人的にはほぼ;なんて見たことないので。
僕が見ている英語の原文が学術論文程度なので、
広範囲のネイティブ文章なら違って来るのかなあ。
英語に詳しくないのでこれ以上は実感がない…
その統計では僅差だとすると、シフトに:というのも余計に分からない。
;:が隣り合う方ならわかる。
ううむ。余計なqwertyの謎に気づいてしまったようだ…

その横の'(")のほうが(US)、;:よりよく使いそうだし…
Posted by おおおかとしひこ at 2019年12月23日 02:58
Key Hero は Quote という扱いのとおり、世の中で目にする文章からの引用が多いようなので、分析の対象としては適しているんじゃないでしょうか。少なくともタイトルでググってみた限りでは書籍、歌詞、スピーチ、映画などはありそうでした。

なので、「使っている」英文というよりは、「目にしている」英文の傾向が強いのではないかと思います。

論文で;が出てこない理由はわかりませんが、少なくとも参考にする文章としては偏るし、普通の人が見たり書いたりする文章とは離れてしまうので分析の対象としては適していないんじゃないでしょうか。

ーーー
「'」「"」についてもKey Heroを検索してみました。

全体で約1000ページ(2万問)
セミコロン「;」126ページ分(2500問以上)
コロン「:」107ページ分(2120問以上)
ダブルクォーテーション「"」114ページ分(2260問以上)
アポストロフィー「'」563ページ分(11240問以上)

※ダブルクォーテーションが登場する問題数は;:と同じくらいですが、1問に最低2個で、4個の場合も多いので、実際の頻度は「最低2倍」になりそうです。(セミコロン;とコロン:は1問に1個の場合がほとんど。)

アポストロフィーはIt's That's I'll Can't I'd You're You'd You've don't There's などいくらでも使うので明らかに多いですね。

これらを実際にUS配列で打ってみると、小指で打鍵している人なら、もともとの位置でも;(:)の位置でも打ちやすさに差は感じませんでした。他の指を使うなら遠くなるぶん打ちにくくなるかもしれません。

また、アポストロフィー「'」の後ろは s t r v d など左手打鍵がほとんどなので、右手が1キー外側に飛んだとしてもその直後に無理なフォームを要求される頻度は少なく、体感の打ちにくさに差を感じにくかったです。

(ただし I'll You'll の打ちにくさと頻度の違いを考慮すると、;(:)と'(")を入れ替えたほうが良いんじゃないかとは思ってしまいますね。)

ーーー
あとUS配列の「:」「"」を単打面に移行したほうが良いのか検討してみた場合、ホームポジションからの小指の動かしやすさを考慮すると、それもそれで微妙な気もするんですよね。結局「'」ほどめちゃくちゃ使用頻度が高いわけでもないので。ホームポジションから離れすぎず妥協するならシフト面かなぁみたいな。
Posted by パソ活 at 2019年12月23日 20:16
>パソ活さん

なるほど参考になります。
「ベストではないが、既にそれで慣れた(か大きな問題でない)ので変わっていない」
というqwertyと同じ匂いが少ししますね。
'llは確かに打ちにくいけどそれ以外はいける、という微妙さかあ。
US配列での右小指を考えると;'エンターだから、その3キーでもそれほど負担はないかもですね。

ちなみにFree eBooks - Project Gutenberg(無料で英語原文小説が読める)で適当に選んだ小説を全文検索してみたところ、
;:!?の頻度は作品によってバラバラで、少なくとも小説文ではバラバラ、という傾向がありそうです。
(;:が100件、!?が40件の作品もあれば、その逆もあり)

配列設計においても、
記号は使い手によってバラバラだから手をつけない派と、
使うものをうまくまとめたい派と、
自由に定義してください派がいるような気がします。

僕としては「;は英語で一番使う記号だから小指ホームなんだよ」
という結論を期待していたけど、調べれば調べるほど不定ですね。

ちなみにDvorakでは'位置に-が来ていて、
Dvorakローマ字はこれを利用してるんだな、とわかりました。
Posted by おおおかとしひこ at 2019年12月23日 21:05
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