僕は二戦目に竜魔の方が良かったんじゃないかと思っている。
リアルタイムでは、
聖剣戦争は真ん中あたりから詰まらなくなった記憶がある。
なぜ体が縛られて、動ける奴だけ動けるのか、
それは誰がやってるのか、などを謎にしたまま続けるには、
ちょっと無理があったと思う。
それだったら見えないバリヤーにでも入れられて、
そのゲートが対戦相手だけ開けば、
「体が動かないっ」の無理を避けられたと思う。
聖剣戦争が僕の期待を下回ったのは、
死牙馬vs邪火麗戦だ。
両方とも出オチだったのがなあ。
とくに「紫煌剣は星の輝きを持って作られたのだ」
ってのがすごくカッコよかったのに、
本来の所有者に使われたら、
ただ光るだけのつまらない剣に成り下がっていた。
目潰し以外の何かがなかったものかねえ。
死牙馬の白朧剣はすごく面白いが、
それを使う死牙馬の設定がよく分からないまま終わったのも、
出オチキャラやなあとがっかりした。
せっかく前の聖剣戦争から眠っていた、
カッコイイキャラなのに、
傭兵の伊達の方がよく知ってたやんけ。
で、僕は二戦目を竜魔vs雄皇戦にすれば良かったのでは、
と思っている。
竜魔の制嵐剣の能力がよく分からないので、
死鏡剣と併用でもいいから、
まずはスッキリしたバトルを見たかった。
「聖剣戦争は、何千年も引き分け続きなのだ」
と死牙馬が言えば、このあとも?…という引きになったかも知れないのに。
三戦目に武蔵vsネロ戦、
四戦目を死牙馬戦にすれば、
聖剣戦争とはそもそもなにかを、死牙馬の口から語れたのではないかなあ。
リンかけの5vs5では、
トリ前が剣崎だったが、
それと同じ席に武蔵を座らせようとしたのが間違いのような気がする。
剣崎は大体一発で終わらせてテンポ調整で加速していたが、
武蔵戦は長引きすぎてダレたと思う。
あと、
雷光剣も幻夢氷翔剣も十字剣も、
本来の所有者じゃないときの、
初登場時の方がすごい感じがした。
そもそも、それよりも、
項羽白羽陣や霧幻陣のほうが、
マンガとして面白かったように思う。
聖剣のバトルが、単なるエフェクトのぶつけ合いになってしまったのが、
「仕掛けのある忍術」とは違って、
ワクワクしない原因だったのかもなあ。
などと、少年とプロの目の両方で見ると、
リアルタイムで興奮がトーンダウンしていった理由が、
なんとなく分析出来てきた。
今回再現されたアオリから、
締め切りギリギリの戦いであったことは察せられる。
十分考えられていなかったのかもしれないね。
じゃあ夜叉編となにが違うのかを考えると、
夜叉編の絵の方が、圧倒的に迫力があるんだよね。
書き込みも繊細で、主線も硬くて柔らかい、
車田マンガの線だなあと思う。
聖剣戦争になって、
書き込みが減り、
線も太くてモッサリした感じになってきている。
(とくに表紙。ペンじゃなくて筆で書いたかのよう)
聖地に行く前はまだよかったけど、
デッサンも崩れかかってきている。
アシスタントの富沢順氏が抜けて、
「コマンダー0」を始めたことと、無関係ではないだろう。
夜叉編はリンかけ最終回近辺の絵ですごく好きなのだが、
聖剣戦争編はざっくりいうと、雑な感じがする。
ストーリーやテンションが同じでも、
絵が違って来てしまうと、
なんだか手抜きに見えるのかも知れないなあ。
絵に関しては、次の男坂では全然ダメで、
聖闘士星矢で聖衣という新しい絵を持ってこれたのが、
逆転だったのかも知れない。
もし自分が再構成するとしたら、
と、プロの目で見てしまう。
死牙馬を温存するべきだった、とするのが僕の解。
竜魔が使い捨てになるが、
たとえば飛ばされた異次元からサイキックで戻ってくる、
などの展開を作っても良かったのでは?
トリックスターがいないから、
話が硬直して、同じことをただ繰り返しているような気がする。
2019年12月26日
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