日本は衰退期である。
バブルの勝利体験を知る人もそろそろいなくなるだろう。
映像業界も同じで、プロデューサーが
「それを安くやる方法を知ってますか?」
から入るようになってきた。
ハリウッド映画やNetflixが、大作主義へ突き進んでいるのにだ。
金のないのはわかったよ。
でも観客から見れば、
ハリウッドの、「いくらでも金をかけてすげえ見世物作るぞ」
という見る極楽と比べて、
日本の精神の貧しさよ。
金をかければいいものができるわけではないことは、
いくつもの爆死を見れば明らかだが、
金をかけていないものが人を毎回幸せにする証拠もない。
僕は日比谷の東宝シネマに行くたびに、
心が寒くなる。
こんな豪華な内装で提供されるほどのワクワクを、
日本映画が与えられていると思えない。
エンドゲームやスターウォーズはいいさ。
豪華なオペラだ。
(出来はいいとして、見る極楽にはなっている)
館内の内装に見合う豪華さだ。
しかし日本のものは、
「これを安く上げる方法を知っていますか?」
からはじまるんだぜ。
彼我の差は、ますます開くばかりである。
しょぼいものをわざわざ見るのか?
いや、アイデアがあれば面白くなるのは確実だ。
映画の中身とはアイデアのことだからだ。
だから、そのアイデアがしょぼく見えないような、
どう騙すだけのビジュアルを作るのか、
が、必要だというのに。
それを、「安く上げる方法を知っていますか?」と、
監督に投げるプロデューサーは、
自分の仕事をしていないと思う。
プロデューサーの仕事は財布の管理だ。
安く上げる方法を、監督以上に知ってなくて、
なぜ財布係ができるのだ?
「安く上げる方法はいくつか知っていて、
AとBとCがあるけど、
今回用にDとEとFを考えたんだよね」
が理想だ。
監督は内容に関するアイデアを出す。
それと同じだけ、財布係は財布に関するアイデアを出して、
ようやく対等だと思う。
にも関わらず、
各スタッフに平身低頭で謝って値下げして、
怒らない人に対して「あの人はいい人」と言って、
怒った人と二度と仕事しないやり方で、
各スタッフの安くするやり方だけ掠め取り持ち札にするような、
そんなうんこプロデューサーがプロデューサーを名乗っているから、
日本は沈んで行く。
誰もお前といいものなど作りたくないわ。
日本の映像業界は、
311あたりから、
安かろう悪かろうになりつつある。
100円ショップが価格破壊を起こしたあたりと、
前後しているだろうか。
一方ハリウッドは、
何百億を完全に生かす方法論を練り上げて行っている。
ますます差は開いて行く。
日本のプロデューサーは、
予算が何百億あっても、
「安く上げる方法を知ってますか?」と、
監督に聞くのだろうか。
もうプロデューサーは一生営業だけやっててくれ。
予算管理は俺がした方がよさそうだ。
プロデューサーシステムの瓦解から、
ディレクターシステムが生まれるかもだ。
(ATGが何故潰れたのか、そこを知りたい。
才能がすり減ったら、ディレクターシステムは終わりなのだろうか)
安かろう悪かろうの下り坂に、
いま日本はいる。
やり方を完全に変えて、
安くて良いものができる日はいつだろう。
2019年12月27日
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