2019年12月31日

【薙刀式】カロリー

配列の速度はよく議題にあがる。
配列のカロリーについて考えたい。


速度は測定可能だから、多分盛り上がれる。
しかし競技を極めて行けば行くほど、
実用の実態とはかけ離れたピンポイントなものになって行くと思う。

実用はもっと長くて均されていて、
もっと何かをしながら何かをしている。

で、カロリーみたいな指標があると、
実用の評価を出来るのかなとちょっと思った。

人は近道をする。
家から駅までのルートは最短路を選ぶ。
毎日の実用ルートは、
理由ある寄り道がない限り最短だ。
仮にあるルートがあっても、
最短路を見つけてしまったら、
そればかり使うようになる。
それは、カロリー最小に収束する、みたいな感じだ。

qwertyローマ字はカロリーの高い配列だと思う。
打鍵数は多いし。
でも行段系ローマ字が、毎度毎度子音母音を左右交互に打つよりは、
左右に母音が散ってるので、
局地的にアルペジオがあって、
カロリーが減ることもある。
この辺の飴と鞭が、qwertyローマ字の面白いところかもだ。

カナ配列はカロリーを減らすためにあったかも知れない。
4段の広さはハイカロリーだから、
ローカロリーにするために3段に圧縮しようと。
(2段に圧縮、1段に圧縮すれば、
打鍵範囲的にはローカロリーだが、
シフトが複雑すぎて逆にハイカロリーになるかもだ)

シフトはハイカロリーで、単打はローカロリーだ。
片手の単打アルペジオが最もローカロリーかもだ。
指の順番によるだろうが。
左右交互打鍵は左→右の方がローカロリーだ。
(左利きは逆かも)

逐次シフトより同時シフトの方がローカロリーだ。
しかし同時打鍵が続きまくるのはハイカロリーだと思う。
連続シフトはカロリーを下げるが、
シフトになったり単打になったりバタバタするとハイカロリーだ。

記憶負担が大きいのはハイカロリーで、
配列図が単純なものはローカロリー。
記憶負担というより、神経が届く場所みたいなことだけど。

段越えはハイカロリーだ。
同指連続は、2打くらいまでならローカロリーだと思う。
人差し指や中指はローカロリーで使える。
薬指や小指が連続するとハイカロリー。

一般的な傾向を書いてみた。

厄介なことは、この数値バランスが、
人によって違うことだと思う。


実際にカロリー測定装置があれば楽なのだが、
ストップウォッチ計測のような単純さではないだろう。

物理的な運指距離の測定などは出来るだろうが、
この組み合わせはしんどいとか楽とかは、
人によって異なる可能性が高い。



速さは、カロリー消費しまくってでも、達成できる。
RTCのトップタイパーの打鍵音は物凄い。
短距離ランナーはものすごくマッチョな体になる。

一方武術の達人は、動きをなるべく小さくするという。
消費カロリーを最小にして最大の効果を上げる。
僕はたぶんそっちを目指している。

秒間14打もいらない。
3とか4ぐらいで、8時間書いて、一週間、一ヶ月、
一年、十年書ければいい。
実際は、指を動かす時間帯より止まる時間帯の方が多いかもだ。
3とか4打のペースで、
もっともカロリーを消費しない配列、機能キーの配置、
IME操作、エディタ、
物理キーボードや打鍵姿勢や打鍵法が、
実用ということではないかと考える。


飛鳥が人気なのは、連続シフトがローカロリーだからだと思う。
しかし僕には配列図の複雑さがハイカロリーだった。
新下駄は速度が出ればローカロリーなのかも知れないが、
その巡航速度に僕は乗れなかった。
新JISの連続シフトもローカロリーだったが、
濁点後付けがハイカロリーだった。
あと指運びの動線が洗練されきってないと感じた。
親指シフトは同時打鍵はローカロリーだが、
指運びの洗練度が低く、ずっと使うにはハイカロリーだと感じた。

薙刀式はどうだろう。
僕にはとってもローカロリーで、
だからこれだけ続けられている。
飽きたら、効率が悪かったら、さっさと辞めていた。

最近私家版を弄ってるのは、
よりカロリーが低くなりそうだ、
というポイントにいくつか気づいたからで、
あるものを動かすとまた別のところのカロリーが高くなるからで、
そこを以前より下げれれば、
トータルのカロリーが下がっていくように思う。、


音声入力は僕にとってカロリーが高い。
指を動かす方がカロリーが低い。

新下駄のkouyさんは、楽さと速さは一致すると言っていたが、
自分の中ではそうだと思う。
他人との比較で見るとまた違ったりして、
(自分にとっての楽と、他人にとっての楽が違うから、
他人にとっての速さと、自分にとっての速さが違う。
「親指シフト速くなるって聞いてたけど全然じゃねえか」
ってそういうことだ)
話がややこしくなる原因だと思う。


僕は駅と家との最短ルートを探すように、
色々探索してるのだなあ、などと考えている。

速く着くけどアップダウンが多くて大変な道と、
多少遠回りするけど緩やかな坂なら、
後者のルートを歩くと、僕は思う。


ぼっちラボさんの機械的解析によると、
薙刀式はなかなかスコアがいいらしい。
親指シフトよりトロンよりいいそうだ。
どういう評価の仕方なのか詳しく聞けなかったが、
カロリー的な何かが数値に出てるのだとしたら、
苦労の甲斐もあったというものだ。
posted by おおおかとしひこ at 09:44| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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