ついつい最後まで見てしまった、リアタイ以来のT3。
その後のどのバージョンの続編より、
きちんとできていた脚本だ。
問題はなんだろう。
TXが不細工だったことに尽きるのでは。
あとどう見てもちんちくりんなのがな。
最新バージョンの女ターミネーターみたいなのだったら、
神作品(に一歩届かなかった)として高評価されていただろう。
あとジョンコナーのブ男ぶりか。
線が太すぎる。
もっと繊細な感じがあれば、
エドワードファーロングが落ちぶれたように映ったかもなあ。
ストーリー上は、
一点だけ瑕疵がある。
シュワにドラマがなかったことだ。
T2ではマシンは感情を学習できる、
というドラマがあった。
それを超えるなにかを僕らは期待していた。
T2の個体とは違うT1000というのは良いから、
以前と違ったドラマがまたあれば、
よかったのになあ。
未来のヨメが送ってきた、
ジョンは死んだから、
という設定は物凄く面白かったのに、
それがシュワのドラマに活かせていない。
(というか何もなかったしな)
このシリーズでは、
「未来に起こること」は一貫して「誰かの話の中」でしか出てこない。
そこに想像力をフルに使うところが面白いんだよね。
だから、トレーラーハウスの中での、
シュワの正体を語るパートは、
メチャクチャ面白かった。
しかしやはり出落ちだったなあ。
アクションはよく考えると結構すごい。
中盤のクレーン車が街を破壊しながらチェイスするのは最高だし、
マシンとの研究所内のバトルも良かったし、
核シェルターの入り口での、
ヘリが二台突っ込んでくるのも最高だった。
しかしそれだけだ。
相変わらず「ただチェイスしている」
という大構造は同じで、
そこがT2を超える次の作品の役割として、
物足りなさを覚えたのだろう。
TXにハックされるだけじゃなくて、
シュワ側にドラマがあれば、
ラストバトルも盛り上がったというのに。
第二ターニングポイント(セスナで飛ぶ)時点で、
テーマが見えていなかったことが、
映画として失敗だったね。
「僕はネバダでコンピュータを壊して、
審判の日を起こさずして人類の英雄にでもなるよ」
とセリフで言えば、
ラストシーンと呼応できたのになあ。
ただラストシーンだけは秀逸で、
これを見るためだけに最後まで見てしまった。
パート1の名エンドとも呼応する、
決意のラストとして素晴らしい。
そうそう、ジョンコナーが、サラコナーの血を引いてる感じが、
あんまりなかったのが残念だ。
ビジュアルではなく本性としてね。
ポッと出の田舎臭いインキャにいちゃんが、
オイオイジョンコナーになっちまったぜ、
という違和感が拭えなかったのが、
大筋の失敗の原因だろう。
にも関わらず、
その後何度もリブートしたバージョン違いの、
「T2の続編」よりも、
格段に面白かったのは事実。
シュワがギリギリ若かったのもあるかもね。
ターミネーターは、ガタイがデカくなきゃつまんないよな。
さっさと未来世界の、
人類対マシンの戦争映画を見せてくれや。
まあマトリックスで大体見ちゃったか。
2020年01月02日
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