2020年01月05日

【薙刀式】配列の評価の難しさ

実感として評価するには、
「複数の配列をマスターして比較しなければならない」
という困難さに尽きると思う。


薙刀式と親指シフトは、どちらがどう優れているか?
新下駄と飛鳥は、どちらがどう?
新下駄と薙刀式は?
じゃあ月といろは坂は?

配列の数だけ組み合わせがあり、
自分内トーナメントを開かない限り、
同じ基準で評価することができない。

しかも、個人個人の能力(物理も含めて)にはばらつきがあることが、
評価にとても影響する。
僕は指が短いので、TYを使う配列や、広範囲配列を評価しない傾向にある。
あと左薬指が苦手なので、多用する配列は落としがち。

同程度の熟練も難しい。
年季の入ったqwertyには、数ヶ月程度の新配列では勝てない。
新配列同士だって練度の差はあるだろう。

また、「マスターが早い」配列の評価がおざなりになる。

あるいは、
「一度配列をマスターすると、
『配列をマスターするスキル』がつくため、
二度目以降の配列マスターがとても早くなる」
現象があって、
「あの配列はマスターするのが難しかった」
という主観を大きく曲げる。


難易度は、
客観的には単打率、範囲の広さ、
清濁が別か同置か、拗音をどう打つか、
などを挙げることが出来るが、
数値化できるものでもない。

運指の滑らかさも客観指標は必ずある筈だが、
定式化できていない。
(qwertyは運指が最悪な配列のひとつだが、
運指最適化である程度対応できる配列でもある)
また、10指の能力自体が、人によってばらつきがありすぎると感じる。

また、物理キーボードや打鍵法のファクターも意外とデカイ。
とくに親指シフト系列。
新下駄や月はその影響を受けない優れた点があるが、
それをどう評価に結びつけるかも難しい。

薙刀式は使う分にはシンプルだが、
実装は恐ろしく面倒だ。
(月の簡単さに比べれば異常とも言えるだろう)
飛鳥の同時連続シフトの実装は、やまぶきRとかえうちとQMKしか対応していない。


そしてその目的である速度だが、
主観的速度(楽になった)と、
客観速度(秒で測れるもの)とが混在し、
客観速度も所詮コピー打鍵であり、
「思考を文字化する」こととは遠いシミュレーションに過ぎず、
短文で競うことは現実の場面と乖離が大きい。

使い手と配列を分離するには、
統計的に十分な人数で試さないとわからない。
(Aさんを最速にするが他の人はサッパリな配列と、
突出しないがみんな1.2倍程度にはなる配列と、
どっちが優秀か?
これは「どの武術が最強か?」という議論と同じ構造)


などなどの、
沢山の曖昧な点が多いので、
議論は尽きないわけだ。


僕は、
qwertyローマ字、
カタナ式、
下駄配列、
飛鳥配列、
親指シフト、
新下駄、
新JIS、
薙刀式を一通りは打てる。
(下駄、新下駄、飛鳥、親指シフトの一部はあやふや)
これらに関しては手の感覚が大体分かっているつもりだが、
薙刀式やカタナ式ほどわかっているわけではない。

だから僕の感覚や発言だって、
公正であるわけはない。

じゃあ習熟してから話せよ、
ってなっても、冒頭に戻るわけだ。


配列やキーボードは、
僕は「触覚の設計」だと思っていて、
見てるだけじゃ何もわからなくて、
触って初めて理解できるものだと思う。

自作配列を作る人ほど、
他の人の配列を触って彼我の違いを感じ取るけど、
ただ使う人は、
ただ不安なだけかもしれない。
「これ以外にも自分に向いてるやつがあるんじゃないか」
って思い出したら、止められないからね。

だから僕は3つくらいは試してみたら?
などとよくいう。
その中から合うものがあれば、
たぶん合う。

個人の主観が評価に大きく左右される。
なるべく客観的ではありたいが、
「手の違いがどのように配列に影響するのか」
などすら分からないからねえ。


ということで薙刀式はいいぞ。
新JISもおススメ。
学習初期の大変さに我慢できるなら新下駄飛鳥は良い。
ローマ字は左右分離行段なら好みでよし。
カタナ式は尖ってて最高。

親指シフト、qwertyローマ字は運指効率が悪い。
JISカナは小指を壊す。
posted by おおおかとしひこ at 13:32| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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