2020年01月06日

対比と一例

We are superhumanについて、
もうひとつ解説を。


対比というテクニックがある。
カットバックによる対比がよく使われる。

このフィルムにおいて、
I canを強調する為に、
対比を使う手だってある。

You can't. I can!
You can't. I can!
You can't. I can!
と、さまざまなシチュエーションを対比させていく手だってある。

下手ならそうする。
下手ならほぼ全編そうしちゃうのではないか。
二画面で比較したりしてね。
ビフォーアフターみたいに。


この作り手が上手いのは、
You can't. I can!
を「一回しか対比しない」ことだ。

なぜそうしたか?

「その一回を強烈に見せることで、
その他全部もそうだと、
人は想像できるから」だ。

彼らは笑顔で沢山のパフォーマンスを見せてくれるが、
彼らが全員You can't. と言われていないわけがない。
全員そう言われながら、
ここまで来たのだということを、
たった一例出すだけで、
私たちは想像することが出来る。

それを利用しているわけだ。


みんなの笑顔を一堂に会して見せることだけが、
みんなの幸せを描くことじゃない。

人間には想像力がある。

下手くそはそれを利用せずに拙劣な表現をし、
それによって無駄なコストを使い果たし、
上手な人は一例だけを使う。

そうして、生き金を使うのだ。
posted by おおおかとしひこ at 12:05| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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