2020年01月08日

シークエンスにサブタイトルをつける

ブロックにサブタイトルをつけるのは、
俯瞰するときに有効な方法だ。


全体タイトル:
一幕のサブタイトル:
二幕前半のサブタイトル:
二幕後半のサブタイトル:
三幕のサブタイトル:

をまず作って一覧してみよう。
どういう流れの作品かを俯瞰できる。

たいていは、

劇的な事件発生、
世界が広がり、展開、
苦しむ暗黒、
最後の決戦、

のようなものを意味するサブタイトルが付くと思う。
これにそのストーリー独自の色がついた感じに。

そうなってないパターンもあるとしたら、
全く新しいタイプのストーリーか、
リズムや座りの悪いストーリーである可能性がある。

前者であれば、
それが普通のリズムでないことを、
どう早々と分からせるかについて、
工夫しているかチェックすると良い。
ただ逆張りハズシがすげえだろ、
だけでなく、
それが普通より圧倒的に良く、
それをみんながノリノリで楽しむくらいの、
サービスをしよう。

後者であれば、
ブレイクシュナイダーのビートシートなどで、
チェックをすると良いだろう。


で、本題は、
さらにこれを細かく割っていこうということだ。

特にこの手法は、
第一稿を書く時よりも、
リライトをする時に参考になる。

どこからどこまでが集中の流れで、
どこで途切れて次へ転換しているのか、
というのを、
幕よりも細かい範囲でチェックするのに役に立つ。

まず切れ目を適宜入れ、
「逃亡の旅」とか「仲間が集まる」とか、
「過去の告白」とか、
わかりやすいサブタイトルをつけると良い。
もっとカッコよく、
「大西洋、血に染めて」とか
「仮面の下にあったもの」とか、
「落日の都」とか、
つけても良い。

おそらく、
それがかっこよく、劇的になればなるほど、
そのシークエンスは、
「特別な面白さ」を秘めていることが予測される。
(無理してかっこよくつけてるのはだめだ)


で。

俯瞰して、そのサブタイトルの組みだけを眺めるのだ。

そうすることで、
「全体の流れ」を把握できる。


この方法で有効なのは、
まず原稿を見ずに、
頭で思い出して作ってみることだ。

そうすると、
「たくさんの意味が交錯するところは大きなボリューム、
そうでないスカスカのところは小さなボリューム」
の表ができる。

それと実際の原稿のページ数を比較するのである。

そうすると、
「思った通りの分量」
「思ったより無駄の多い分量」
「思ったよりスカスカの分量」
をあぶり出すことができる。

理想の体型と現実の体型を見比べる、
ライザップ初日のようである。

気合いが入ったサブタイトルの部分は、
気合いが入った内容にするべきだし、
さらっとしたサブタイトルの部分は、
さらっと流す分量にするべきだ。

その理想の全体の流れを、
「シークエンスのサブタイトルの流れ」
でイメージトレーニングしておくのである。

もちろん、
新しいシークエンスを作ってもいいし、
削ぎ落とす決断をしてもよい。
順番や構成を変えてもよい。

あなたが「これはベストの流れだ!」
と思うようなサブタイトルの流れをつくり、
あとはその通り書けばフィニッシュだ。

もっとも、
「これはベストの流れだ!」は、
日々微妙に移ろうので、
何日かかけて平均したりいいとこ取りをしたりして、
何回か寝て起きて決めた方が良い。
一時の気の迷いを払拭し、
一瞬の閃きは拾うべし。

そしてその流れを「決める」覚悟をする。


あとは執筆の海へダイブして、
生還すれば良い。
posted by おおおかとしひこ at 13:25| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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