2020年01月10日

前半戦後半戦を考える

長いものの構成を考えるコツ。


色んな要素を書きだして、
長い構成表を作ってみよう。
それの骨を見つけられれば、
構成がしっかりしているということになる。

それがふにゃふにゃだと分ったら、
なんだかよく分からなくなったら、
前半後半を分けて考えるとよい。


まずは三幕構成理論に基づいて、
ミッドポイントを抽出する。
ミッドポイントが明確になっていないストーリーもあるから、
その場合、
「明確に前半と後半の文脈が別れるポイント」
を探す。

逆に、前半と後半は、
明確に文脈が分れているだろうか?

前半は大きくどういう文脈だろう?
後半は大きくどういう文脈だろう?

焦点、気になる部分、ストーリーのトーン、
などが大きく分れていない話だとしたら、
そんなに面白くないかもしれないということを、
心配したほうがいい。

細切れになっていて明確でなかったり、
同じ調子でずっとだらだら続いている可能性があるということだ。

これを整理することで、
前半はそもそもどういう文脈だったのか、
後半はそもそもどういう文脈だったのか、
自分でも気づいていなかったことが判明することがある。
あるいは、「こうすべきだ」という答えが見えてくることもある。

なるほど、このようにもとらえられるぞ、
という発見のためにも、
無理矢理にでも、
前半の文脈はどのようなものか、
後半の文脈はどのようなものか、
考えてみるといいだろう。
それが言葉になったら、
そうか、こう整えれば良いのか、
と気づくこともある。


で、
その次。

前半部分を、また二つに分ける。
後半部分を、二つに分ける。
全部で4つ。

前半の前半と後半はどのような文脈か、
後半の前半と後半はどのような文脈か、
ということを考えるのだ。

頭から通して考える。
その流れが一番面白いかどうか。
一番ワクワクするかどうか。
一番感銘を受けるかどうか。
一番感情が振れるかどうか。

さらに二つに割って8に考えると、
さらに精度があがる。

つまり、
一幕の前半、後半、
二幕前半の前半、後半、
二幕後半の前半、後半、
三幕の前半、後半、
というふうに文脈を考えることになるわけだ。

もちろん、8の文脈、4の文脈、2の文脈で、
すべて成立して、かつ整理されているべきだ。

そこで明確な文脈がないものは、
退屈や、ややこしいだけのものになっている可能性が高いということ。

もちろん、
前半後半で対比的になっていたりするのがベストだと思う。
対比的になっていればなっているほど、
ターニングポイントが強力になり、
劇的な抑揚がつく可能性が高いからである。

前半は幸せだが後半は不幸とか、
前半はコメディだが後半はシリアスとか、
前半は逃げるが、後半は追いかけるとか、
前半は一人だが、後半は仲間がいるとか、
前半は仲良しだが後半は決裂とか、
そうした対比があると、
ドラマチックになるだろう。

で、
その文脈だけ追いかけて、
ストーリーがちゃんとうねっているかどうかをチェックするべきだろう。


ミッドポイントはおおむね尺の真中に来る。
そこで前半と後半がガラリと変わったほうが、
テンポが面白くなるということだ。
そのミッドポイントが遅ければ前半がたるいからカットするべきだし、
早ければ前半が物足りないということである。
全体のバランスがいびつなら、
何が余計で何が足りないかは、
文脈と照らし合わせればわかることだ。

これは以前に議論した、シークエンスにサブタイをつける方法を、
もっと俯瞰して、かつテンポについて考えているわけだ。


全体を8等分したときに、
どういう真中で、どのようにストーリーが変わっていくのか整理すると、
全体のテンポや明暗のコントラストやうねりが、
俯瞰できる。経験則だけど。

(16等分すると、細かすぎて分からなくなる。
8等分くらいがちょうどいいかも)
posted by おおおかとしひこ at 09:11| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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