2020年01月12日

面白かったけどパルムドールと言うほどでも(「パラサイト半地下の家族」評)

普通の70点くらいの佳作じゃないですかね。

以下ネタバレで。


地下室が出てきてから話が変わった。
詐欺師一家のコメディから、
えげつない韓国映画に。

僕は韓国映画の、
このえげつなさが好きではない。
露悪趣味に見える。
大阪の悪いところだけ見たような気になるのだ。

映画の中の韓国はいつもこんな感じで、
僕は韓国料理は好きだけど、
映画の中の韓国人は好きじゃない。

もっとライトなコメディにして、
適度な報いを受ける話にできないのか?
逆にもっとえげつない人間を描いて、
全員死亡にできないのか?

どっちつかずの、中途半端な佳品であった。

じゃあどっちにすればよかったのか、
僕にはわからない。
インド映画なら、
もっと豪快なコメディで、
もっと豪快に泣けるものに作り直すはずで、
僕はそっちのほうが、
映画として力があると思っている。

映画としてあるべきものの、
信をあぶり出すべきものだった。


カンヌはいつも、
アメリカ的価値観でないものに賞を与える、
カウンター(牽制?)の役割を果たしている。

この映画は人を幸せにしないが、
バカみたいな幸せ感に冷水を浴びせることは確かだ。


場末の二本立ての一本で、
新人監督のものなら面白かった。
六本木の大スクリーンで、
満場の客で見る内容じゃない。

映画館と、映画が、
乖離し始めていると思う作品。
posted by おおおかとしひこ at 21:13| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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