2020年01月27日

運命の糸はもつれるようにせよ

あなたは運命の使い手である。
ストーリーテラーとは、
最も面白くなるように、運命の糸をもつれさせて行く。


何もかも正反対の二人が会うようになるのは、
まるで運命のようである。

実際には作者が苦心して、
対照的な二人を創作して、
まるで運命であるかのように出会わせている。

運命は絶好の舞台を用意する。
実際には作者が苦心して、
そこに向けてストーリーラインを積み上げていったのだ。

このようになるにはどうすればいいか。

簡単な場合から考える。


まずAB二人の人物を創作する。
二人の目的、PとQも創作する。
PとQはコンフリクトの関係にある。
すなわちPが実現することとQが実現することは、
並び立たない。

また、
PやQを叶えるために、
小目的にPやQは分解される。

それを、P1、P2、P3…などと表記し、
一般的にPn、Qmと表記しよう。

ここで運命の糸をもつれさせよう。

「Pnを叶えるには、Qmを叶えることが必要になる」
と、
相手の小目的を自分の小目的になるようにすれば良い。

あるいは逆の、
「Pnを叶えるには、Qmを失敗させればよい」
でも良い。

だがPとQは敵対していることを知っているわけだから、
それはごく順目の展開だ。
時折呉越同舟しなければいけないようにすると、
もつれが生じるわけだ。


これを、一度ならず二度三度仕込んでいくと、
ABの二人の運命は、
もつれ合い、翻弄されているように見える。

もちろんこれが御都合主義に落ちいらず、
自然な展開に見えるように出来る腕が必要だけど。



そしてこれはAB二人の運命で見たが、
n人に拡張可能だ。

その連鎖が組めれば、
数奇な運命のn人の話を作れるだろう。
posted by おおおかとしひこ at 00:05| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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