2020年01月28日

【薙刀式】手癖

僕は絵を描くので、その経験から、
手癖というのは非常に重要な要素だと思っている。


漫画の線は、ほとんどが手癖で描くものだ。
一個一個線を見つけていたら、終わらないからだ。
手癖のルーチンの線で組み合わせるという点で、
漫画は記号である。

デッサンをするのは、
定型的な線を見つける為だったりする。
油絵や水彩はまた別で、
一本の線を見つけることをやると思う。
漫画はどちらかというと浮世絵の延長だから、
決まった線で描いていく。
その基本線の組みが、作家性だと思う。

これを繰り返していると、
手癖で絵を描くことが多くなる。
こういう時はこういう絵や線だ、
という感じに。
逆に、手が勝手に、その結論へ急ぐことが多くなってくる。
絵がパターン化していくということだ。
これはつまり、脳を通して描いていない。
手が先に絵を描き始めているということになる。

手癖で描くのは早い。
しかしオリジナルを描くときは、
手癖に注意しなければならない。
しかし、何も描けない時は、
手癖が線を持ってきてくれることがある。


これは、配列においても同じことだと思う。
その配列で書きやすい言葉、
書きにくい言葉があれば、
それは手癖のようになってしまうと思う。

たとえば、
僕は親指シフトで「しかし」が打てない、
書きにくいほうの手癖であることは書いた。WSWだ。
薙刀式では「しかし」はRFRだから、
縦連とは言え打ちにくい言葉ではない。
だから手癖としては、薙刀式のほうが「しかし」を書きやすい。

言葉はどこまで脳が制御しているのだろう。
脳が完全に言葉を出して、
手はそれに属しているだけなのだろうか。

そういう人もいるだろうが、
僕はそうではない。
手癖で書く。
こういうときはこう考えるのだ、
こういう言葉をチョイスするのだ、
(逆にこう言ってはダメだもある)
などが、複雑なネットワークとして存在すると思う。
それは、脳が思うより早く言葉を連れてくることがある。
手癖で絵を描いているときと同じだ。

これだとパターン化するのだろうか。
いや、これをやることで、
脳が進み、手を動かさないときよりも、
多くのことを考えることが出来ると思う。
「手で考える」という状態だ。

僕はとくに手書きの時に、これを利用している。
絵を描くことと、言葉を書くことは、
形式が違うだけで、
僕の中では「手が連れてくる」という点では同じだ。

この状態に、
キーボードと、配列がなりたい。

自分に合わない配列だと、
手で考えることが出来なくなる。
代表はqwertyローマ字だ。

脳で言葉を確定して、それを写すような感覚の人は、
この感覚が分らないかもしれない。
筆記用具は、文体に影響を与えないかもしれない。

僕は手で考え、手が言葉を連れてくるタイプだ。
先に動いて、動いている状態で、
思考が増幅されていくタイプだ。
こういう人間にとって、
筆記用具はクリティカルである。

違う道具は違う文を生み、違う思考を生み、
違う結論を生んでしまう。
それがゆるせないから、
僕は配列を作っている。
自分の言葉を自分のものにするためにだ。

勿論、座る姿勢でも言葉はかわってくる。
座る場所でもかわってくる。
嫌いな場所で書く言葉は、ろくなことにならない。

僕は環境と姿勢が整ったところで、
自分の手にあう道具を使って、
手で考えたい。

そのための道具が、配列であり、
自作キーボードだ。

勿論物理的効率が良いことに異論はないが、
それより大事なファクターが、
手で考えられる道具になっているかどうか、
だと思うのだ。
たとえ効率が落ちても、
僕は僕の手になじむ道具を使うだろう。

だから、効率面やスピード面で、
薙刀式は最強とは思っていない。
新下駄や飛鳥に、効率やスピードは負けると想像する。
それよりも、
手が考えられるだけの配列になっているかどうかが、
僕にとって最重要だ。

薙刀式の手癖が、僕の思考や言葉の手癖に近くなるまで、
この改良は続くと思われる。
(とはいえ、なんとなくもう落ち着いてきたけど)


俺専用配列かどうかは分らない。
ある程度効率だってよいから、
使いやすいと思う人は、使ってもらうと良いと思う。

ブラインドタッチは覚えやすいし、
範囲が狭いから練習や維持も楽だし、
薬指や小指はあまり使わないし、
1モーラを1アクションで打てるし、
機能キーが人差指ベースで近くにあるし。

手癖はわるい代表のように言われることがあるが、
思考を回転させるための着火剤だと僕は考えている。
使いにくい運指と言葉の組合せがあると、
僕は手の回転が止まり、考えられなくなる。
posted by おおおかとしひこ at 18:02| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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