2020年01月30日

綿密に設定は詰めておくこと

お前設定よりストリーライン(目的と行動)言うとったやないかい。
もちろんそっちが重要だ。
これはリライト時の話である。


第一稿を書いた時点で、
設定があやふやのまま終わっていた箇所が、
必ずある。

設定が詰めきれていなかったり、
複数の設定で矛盾が生じていたり、
その設定だとすると、こうした方が良いはずなのに、
劇中ではそれをやっていなかったり。

物語は設定という舞台での行動である。
第一稿だと、
舞台にちょいちょい穴が空いてたり、
変に重なったりしているわけだ。


リライトというと、
セリフを直したりストーリーラインを直したりすることを、
つい文字面を見ながら考えてしまう。
それももちろん大事だが、
設定のし直し、
ということも射程に入れた方がいい。

とくに過去設定とか、
場所の設定とか、
仕組みの設定とか。

その辺がストーリーに寄与するように、
そして先を読まれないように、
さらには期待されるように、
見事な伏線になるように、
複雑にせずシンプルに面白くなるように、
練り直した方が良い。


この意味で、
中二ノートみたいに、
ストーリーも書かずに設定だけ書いていることは、
二重に意味がない。

設定からストーリーが生まれることはないし、
(ストーリーは問題と行動から生まれる。
設定は行動の制約でしかない)
ストーリーが生まれた後は、
どうせ設定をリライトするからだ。


きっとなにかの設定資料集を見て興奮したのだろう。
それは、「資料集を見て興奮する」という娯楽であり、
ストーリーという娯楽ではないことに注意しよう。

ストーリーという娯楽は、
設定の上に咲く花のようなものだ。

花のために土台を固めて、矛盾なく、深く作り直そう。

そこまで深く作れたら、設定資料集として、
商売できるかもね。

「オネアミスの翼」の資料集は最高に楽しい。
しかしストーリーはクソだった。
そんなものを目指してはいけない。

ストーリーが傑作で、
資料集も面白い、ガンダム(ファーストのみ)を、
目指すべきだろう。
たとえが古くてすいません。
なにせ設定集に夢中になったのがその歳なので。


まず面白いストーリーを書け。
次にその土台となる設定を、
さらに深くよく練ってリライトせよ。
そしてストーリーをリライトせよ。

ストーリーのリライトのために、
練られたリライト設定があるようにせよ。
そうしないと、リライトは良くならないだろう。

ストーリーと設定は両輪になり、
最終的にはひとつに溶け合うだろう。
posted by おおおかとしひこ at 01:55| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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