セリフを全部捨てて絵だけ残してみよう。
何をしてるのか、
どうしてそうしてるのか、
何が起こりどうなったのか、
わかるだろうか?
よくできた映画はミュートで見ることが出来る。
絵できちんとモンタージュが出来ているからだ。
アクション映画ばかりか?
違う。
映画は全てアクションだ。
心の中の葛藤すら、アクションで示せる。
「この人は高所恐怖症で、
今それを克服したいと思っている」
ということも、
屋上や階段で、
おっかなびっくりしている様や、
深呼吸して堂々としようとしている様や、
それでもやっぱり無理だ、
となっている様で、
サイレントで伝えられる。
なんなら、
「高いところから落ちる悪夢」を見て、
汗をかいて起き上がり、
落ち込んだり拳で壁を殴ることで、
さらに深層心理まで進める。
もう少し複雑な悪夢までいけそうだ。
好きな人が出来た、
恋人を失った、
父親に虐待されていた、
なども、セリフなしでいけるだろうね。
つまり。
説明台詞なんていらない。
絵でわかるものにはいらない。
また、
絵でわかるように改変するがよい。
自分の微妙な気持ちをセリフで言わなくてもいい。
絵でそのような状況をつくれば、
眉を少し動かすだけで、
その気持ちを我々観客は察する。
あなたを愛してますということを言葉を尽くす必要はない。
とても大きな花束で示したり、
ただ優しく抱きしめるだけで示すことが出来る。
その意味を示すような、
新しい絵を作りなさい。
「拾ってきた犬が心を開き、
手を舐めてくれた」
という場面を、ETは、
「指と指を近づけて、光らせる」
に変更することで、
新しいイコンをつくった。
(ETは、拾ったすごい犬が森へ帰る話と同じ構造だ)
出来れば複数あるとよい。
「見たことのない絵を見たい」
なんてプロデューサーや観客はいうけれど、
大方見たことのない絵なんてもうない。
そうではなくて、
「この意味を示すこの絵は、見たことがない」
を考え出すべきだ。
自分のシナリオを、
サイレントで見てみよう。
この人はどういう人か。
なぜ、悩んでいるのか。
何を克服したいのか。希望や夢は何か。
どういう事件が起きたのか。
なぜ主人公はこれを解決しようと思ったのか。
そこにどんな困難や障壁が現れたのか。
それをどう解決したのか。
その解決によって、どういう新しい問題が出てきたのか。
数々出てくる登場人物は、一体どういう人か。
彼らの動機は何か。
何をすることで、このセンタークエスチョンは解決するのか。
そしてそこにはどういう危険があるのか。
それを何故主人公は、危険を冒してやろうとするのか。
どうやって解決したか。
面白い解決法だったか。
見事な解決法だったか。
これらの全てが、セリフなしで伝わるのが理想だ。
そして、これらの幾つもの場面が、
見たことのない絵と意味の組み合わせになっているのが、
ベストだと思う。
ただのセリフ劇なら、
舞台でも出来るし、
ラジオドラマでも出来るし、
朗読劇でも出来る。
映画シナリオを書くなら、
意味を絵でどう表すかを考えて、
絵映えする話に作り直すべきだろう。
2020年02月02日
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