二幕前半を書くことが難しいのは、
最初の小目標の定義が難しいからではないか、説。
侵略してきた宇宙人を撃退する。
世界チャンピオンを目指す。
あの子のハートをゲットする。
センタークエスチョンの設定、
一幕までは頑張れば誰にでも書ける。
デカイ目標が見えて、
よし、やるぞ(第一ターニングポイント)
までは、書けることと思う。
ここから急に霧の中に入ってしまうのは、
「次にするべき小目標の設定の困難さ」にあるのではないか。
「受験に勝つ」と決めたとしても、
最初にやるべきことはなに?
家庭教師を探す?
予備校に通う?
参考書を買う?
模試を受ける?
ネットで検索?
友達から情報を得る?
苦手科目の克服?
英単語?公式?
ベースの丸暗記?考える力?
天声人語を読むこと?
気に入ったノートとペンを買うこと?
どれもやれそうなことで、
どれからでもやらなきゃいけなくて、
最終的には全部やった方がいいだろう、
ということだと思う。
ストーリーも同じである。
その小目標Aはなにか?
そのAは、本当にまず最初にするべきなのか?
BやCでもいいんじゃないの?
Aやってる場合じゃないんじゃないの?
と思うと、ストーリー進行が詰まらなくなるわけだ。
じゃあ、
あらゆる観点から見て、
全てにおいて妥当なAを見つけるべきだろうか?
それは教科書的な正解だろう。
受験の前に模試を受けて、その結果が出ていれば、
「苦手科目を克服しつつ、得意も伸ばそう」
などとAを分析することは可能になる。
つまり、現状分析をちゃんとしてるか、
ということになる。
侵略してきた宇宙人の性質や目的をわかっているのか。
世界チャンピオンになるためには何が必要なのか。
あの子のハートは今どうなのか。
それがわからないと第一歩が妥当かどうか分からないし、
「これはうまくいく話じゃねえぞ
(失敗するか、ご都合で成功するか)」
と見限られてしまう。
実はこの第一歩Aのチョイスこそが、
「これはなんやかんやあって成功する、
面白そうな話だぞ」
を決めると思っても良い。
オープニングを書くことは難しい、
小説の最初の一言が難しい、
なんて言うけれど、
僕はこの、センタークエスチョン確定後の第一歩の方が、
難しいとすら思う。
で、
コツというか経験則なのだが、
「まず最初に簡単な成功をさせる」を描くといいと思う。
それはたまたまの成功でもなんでもいい。
その成功体験が雪だるまの核になって、
膨れ上がっていくといいと思う。
あとになって、あの偶然の成功からは意味がなかった、
最初からやり直しだ、があっても良い。
いずれにせよ、
「Aが妥当かどうか判断がつかない」
という状況よりかは、
「とりあえずAは成功」にしてしまったほうが、
足がかりがあるというものだ。
「ランダムにやってるうちにAを見つける」
でももちろん良くて、
そこまでは二幕前半の1/4までにはあった方がいいと思う。
そうでないと、
「いつまでたっても方向性が見えず、
漂ってるだけ」に見えるからだ。
理想を言えば、
それは今後の成功の方向性すら決める。
受験のたとえでいえば、
「熟語が弱いとわかったので徹底的にやったら、
急に英語が何を言ってるか分かった」
瞬間があったとしよう。
そしたら英語を軸とした受験になるはずだ。
「周期表で電子が8になるのが安定」
が分かったら、化学が急に出来るようになる。
そしたら進路も化学系を見据えた人生になると思う。
(僕は絵が描けて作文が得意で、物理が好きだった、
スタンダードにいないタイプ)
あなたが設定したセンタークエスチョンはなにか?
それをする為に、
なぜ最初のAをするのか?
BやCではなくそれが妥当で、
最短経路だとわかったとき、
観客はストーリーにのめり込む。
この先は?と。
2020年02月10日
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