2020年02月11日

後悔をする

ストーリーというのは、
目的を達成するために、色々な行動をすることを言う。

その行動の一つ一つは、全てが成功とは限らない。
失敗もあり得る。

ということは、「後悔する」というフェーズが、
ストーリーにはつきものである。


後悔しても何も生まれない。
しかし後悔は強い感情の反応だから、
強烈なシーンほど効く。

自分のミスで親友を死なせたとか、
会社が倒産したとか、
一家離散の原因は自分の軽率な行動だったとか、
とにかく大失敗があればあるほど、
後悔は大きいだろう。

なぜああしなかったのか、
なぜもっと最初から調べなかったのか、
なぜAだとわかっていたのにBを選んだのか。

後悔が襲ってきて、
おそらくその選択への非難もあるだろう。

消えてしまいたい、実際しばらく人と会わなくなるかも知れない。

この自然な反応は非常に重要だ。
やってしまったことの重大さを表現する。


さて、ここまでは後悔のフェーズの前半だ。
後半は何か。

立ち直りである。

失敗して終わるのはバッドエンドであり、
僕はそれを勧めていない。

ラストはハッピーエンドで終わるべきだ。
だから最後は成功で終わりたい。

ということは、失敗と後悔は、
再び立ち上がるための、前段階に過ぎないわけだ。


人は失敗した時どうするのか。
どこまで落ち込み、どうやって逆転するのか。
あなたが人生をどう捉えているか、
その作家性がもろに出るところだ。

他力本願でない、
メアリースーでない主人公は、
どうやってそこを切り抜け、次なる成功のフェーズへ移るのか。

成功は反省からしか生まれない。
反省は後悔からしか生まれない。

後悔を上手に描けることは、
成功を上手に描けるための、必要条件だ。
(十分条件じゃないよ)


いい後悔を書こう。
悔しくて夜も眠れない後悔を書こう。
思い出すたびに心に棘が刺さる後悔を書こう。
だから、その人は立ち上がるんだ。
posted by おおおかとしひこ at 21:19| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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