展開の骨だけを見たければ、ターニングポイントを意識すると良い。
三幕構成理論における、
第一ターニングポイントと第二ターニングポイントは、
ターニングポイントの一種である。
第一と第二とついているため、
ターニングポイントは2個しかないのかと誤解されるので、
僕はこういう時は、
大第一ターニングポイント、大第二ターニングポイント、
などと、大をつけて特別なターニングポイントだと示すことがある。
それ以外の(小)ターニングポイントは、
ストーリー中にいくつあっても良い。
一本の映画にいくつあるのか数えていない。
昔長編小説のそれを細かく数えたら100を超えた。
20じゃ足りないと思う。
まあどれくらいの規模のものを数えるかによるけれど。
ターニングポイントは、
「これまではこれに注目して話を進めていたが、
ここ以降はあれに注目して話を進める」
というようなポイントだ。
焦点の転換点、という言葉で定義できるだろう。
たとえば以下のような所にある。
態度や判断を決定する
行動を起こす
結果が出る
状況が変わる
迷った末に、結論を決める
変更する
喧嘩する
勝ち負けが決まる
議論する
融合したいい結論が出る
離反する
合流する
新情報
などなどだ。
これまではAのことを話していたが、
Bに注目せざるを得ないときに、
それはターニングポイントになるわけだ。
ターニングポイントはサラッとしたものでもいいし、
劇的な転換点でもいい。
「戦争だな」と呟いてもいいし、
ツインタワーに飛行機が突っ込んでもいい。
小さなターニングポイントには、
セリフや小道具のような小さい場面、
大きなターニングポイントには、
劇的な仕掛けや大掛かりな場面、
などが原則だが、
あえて逆目にしてもいい。
「友達になろう」というターニングポイントが、
塾の帰りに一緒に歩く、という小さいものでもいいし、
国家の存亡がかかった場面での、
命をかけて何かを届ける、
という場面にしてもいいわけだ。
第三次世界大戦開始のでかいターニングポイントが、
地球へ飛ぶミサイル群でもいいし、
核のボタンを押す指先でもいいわけである。
何をどう印象的にするかは、
あなたの腕次第だ。
とくにストーリーの中盤は、
焦点Xが、ターニングポイントPによって、
次々にかわってゆく。
そのXとPのリストを作ってみよう。
そしてその時刻(何ページ目か、でよい)もだ。
長いこと同じ焦点Xで、
しばらくターニングポイントが来ない時は、
すごく集中してハラハラしている充実した部分か、
展開が遅くて退屈しているかの、
両極端なポイントの可能性がある。
焦点Xが変わりまくり、
ターニングポイントPだらけのところは、
目先が次々に変わりノリノリの展開なのか、
展開が早すぎて恣意的でご都合な展開かの、
両極端な可能性がある。
焦点XがPで等間隔で変わっていくところは、
適度な展開で非常にのめりこめるところか、
同じテンポなので読めて飽きちゃうか、
両極端な可能性がある。
どちらであるかは、
形式的な判断はできない。
出来如何だ。
ただ、うまくいってないな、
という原因を探るには、
役に立つやり方かもしれない。
ここはテンポが早すぎたか、とか、
遅すぎたか、とかを自己判断できるだろう。
もっとターニングポイントを強く劇的にするか、
もっと微細なものにして逆に印象付けるか、
それも腕だ。
ターニングポイントと焦点のリストを書き出して、
リライトの検討資料とすることが出来る。
執筆は演奏である。
強弱やテンポは、演奏者の腕による。
2020年02月12日
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