お話を書く時に、まったく初心者は、
どういうイメージを描けばいいのだろう。
静的ではなく、動的なイメージを持つべきだと思う。
ストーリーを書く人の頭の中はどうなっているんだ?
などと素人の人が思うとき、
どういうものをプレゼンするべきかと考えると、
これが分り易いかもしれない。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=184&v=0jHsq36_NTU&feature=emb_logo
これは太陽系である。
太陽を中心に、各惑星が円(楕円)運動をしているのは、
まあ知っていると思う。
しかし太陽自身は静止している訳ではない。
銀河の周りを回っていることが知られている。
それを図式化したのがこの動画だ。
太陽は直線運動をしている。
惑星はその周りを円運動しながら太陽と同じ直線運動をする。
つまり、螺旋を描きながら、各惑星は進んでいる。
僕らの「太陽系」のイメージとは、
まったく異なるイメージで、
とても興味深い。
で、これが僕の中のストーリーのイメージに近い。
各惑星が、各登場人物だ。
実際には、等速円運動をしない。
色んなところへあちこち動くから、
実際のストーリーの中では、螺旋を描かない。
もっとふらふらしているだろう。
しかも、他の惑星と衝突したり、
随伴したり、反発したり、
他の惑星を消したりすることもある。
だからもっと動きまくって激しい感じ。
それが、太陽という時計とともに進んでいく感じ。
太陽が焦点。
ということは、その焦点は、
時々進路が劇的に変わる。
折れ線のように変わるわけで。
そういう、動画をさらに複雑にしたようなものが、
僕の中のストーリーのイメージだ。
「ストーリーを書く人の頭の中は、
一体どういう想像が広がっているのか?」
と問われるなら、
この動画が一番近いと思った。
ストーリーを書く時のイメージの、
間違いの例。
・人物がポーズを付けている(キャラ設定はストーリーではない)
・人物がある背景の前で、集団でポーズを付けている(ただの紹介ポスター)
・舞台となるいくつかの場所
・重要になるアイテム
・ある場面のイメージ(場面だけではストーリーではない)
これらは全て静止しているイメージで、
ストーリーの微分でしかない。
ストーリーとは積分なので、
これらはまったくストーリーとは異なるものである。
体操競技やフィギュアの演技を計画するとき、
このような静止したもので考えるだろうか?
違うよね。
まずAという技から入って、
Bという技につなぎ、
CDE……という技の「リスト」になるはずだ。
でもABCは決まった技になるので、
これはまだストーリーの近似である。
ストーリーはオリジナルの技の場面を連続させる。
分れ、出会い、死ぬ、などの大雑把な場面の典型はあるが、
どれもオリジナルなものばかりだ。
決まった技はない。(あるものをベタという)
しかも単独の演技者のものではない。
複数の演技者の、技リストなのだ。
ということは、紙に書けるものではない、
ということが分ると思う。
僕は長年、ストーリーは紙に図として描けるのではないか、
などと妄想してきたが、
どうにもできないので、
最近はそれを諦め、
それぞれの技リストのようなものだ、
というイメージにしている。
でもそれぞれは色々動くので、
全体のイメージは、
動き続ける惑星のような、
冒頭の動画のようなものがいちばん近いのではないか、
と考えるようになった。
さて。
あなたの中の「ストーリーというもののイメージ」
はどのようなものだろう。
人生を回想したようなものだろうか。
(主人公から見たものはそれで可能だが、
そうではない場面もたくさんあるだろう)
場面場面で思い出されるものだろうか。
(それが重要な場面をすべて網羅されていれば、
使えるものになるかもしれない。
しかし、そこに登場している人物たちを、
可塑性あるように出し入れする時点では、
それらは使いづらい道具になるだろう)
すごろくのような楽譜のような、一直線の何かか。
(完成したものはそれで良いかもしれないが、
試行錯誤するには幅が足りない)
どういうイメージを持っているかで、
頭の中で組み替えたり、
場面を入れ替えたらどう変わるかイメージしたり、
エピソードを別のものにしたときにどう変わるかイメージしたりの、
困難さが違うと思った。
ということで、
僕はいま太陽が折れ線で進みながら、
惑星があっちこっちいって、軌跡をつくるようなものをイメージしている。
参考にされたい。
2020年02月14日
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