第一幕と第一ターニングポイントがファーストギアだとすると、
二幕前半はセカンドギアになると思う。
同じギアの大きさ違いではなく、
「別のギア」が必要だと僕は考えている。
第一幕は、事件発生から主人公の解決への決意までだ。
第二幕はその本格関与を描く。
(第三幕は主人公自身の解決の瞬間のための、最後の山場)
第二幕がその関与であるが、
主人公自身の関わりだけが事件だけではない。
他の人がどう関わっているのか、
味方になるのか敵になるのか、
呉越同舟なのか、
もその世界に入ると分かってくる。
だから世界が急に広がるわけだ。
しかし世界の広がりばかり書いていると、
話の進行が遅れることについては以前書いた。
世界が広がっただけではなく、
話が進まなくてはならない。
つまり、
前にニンジン(目的や動機)、
後ろに切れた橋(締め切りや、これをやらないとどうなるか)、
が必要である。
おそらくそうしないと人は行動しない。
自ら積極的に「やろうぜ!よし次はこれだ!」
なんて人はいない。
なるべく楽したいし、危険は避けたい。
だから、前と後ろに理由を持ってくると良い。
これがセカンドギアだと思う。
最初のギア、
つまり第一幕では、
大変な事件が起こったという興味や、
主人公がそこに巻き込まれて大変だなあという興味や、
主人公の境遇などにある程度共鳴している段階であり、
どうにも逃げられなくなって、
自分自身で解決しなければならないのだなあ、
という関心が必要だ。
つまり第一幕のギアは、関心だと思うのだ。
セカンドギアは違う。
もう関心があるのだから、
改めて関心を引く必要はない。
そこから関係を展開して、
後戻りできない事態へ移らなければならない。
つまりセカンドギアとは、(後戻りできない)状況の変転だと思う。
主人公が一歩前に踏み出したことで、
あるいは妨害する人(敵対者)が何かしたことで、
状況は変わり、
後戻り出来ない新しい状況になるべきだ。
ああこんなことなら関わるんじゃなかったと後悔しながらも、
前に進むことで解決の可能性が見えているべきだ。
つまりセカンドギアとは、
「確かにこれをすることで、解決が見えてくる」
という確信(あるいは期待)だと思う。
もちろんそのスパイスには、
世界観が広がった楽しみ、
登場人物を深く知ることでの感情移入、
上手い裏切りによる展開の妙、
などもあるだろうが、
メインディッシュは上の通りだと僕は考えている。
ストーリーがセカンドギアが入った時、
すなわち、
次々に後戻りできない状況へ変転し、
それでも解決へ向かって一歩ずつ前進していることが、
確信が持てる、ないし期待できるとき、
話はドライブ感があると思う。
勿論、伏線を貼りながら、
感情を前後左右に揺さぶりながらだ。
2020年02月14日
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