2020年02月15日

二幕全体をリライトするとき

二幕は置換可能な部位だ。
一幕と三幕はテーマに関わるので動かせないが、
それに比べて入れ替え可能なところが沢山ある。


こうもありえた世界線を、常に考えよう。

問題の解決の、初手から違えば全然違う世界線になるだろう。
あの時ああしてればどうなったのか、
を想像することは自分のストーリーだから簡単だと思う。

そのバリエーションを沢山妄想しよう。

それで、やはり今のバージョンが一番面白い、
となった時が、リライトの終わりだと思う。


情報の順番を変える、
情報の有り無しを試す、
ストーリーの順番を変える、
取捨選択を変えてみる、
新しいエピソードをつくる、
削って捨てる、
ルートを変える、
成功失敗を変える、
設定も変えてしまう、
人物設定も変えてしまう、
新登場人物をつくる、
登場人物を削除する、
複数の人物を一人にしてしまう、
一人を複数に分ける、
などなど、
やれることは沢山ある。

そうして、いくつかのバージョンのプロットを組み立てることすら可能だろう。

最初に書いたものと全く違っていてもいい。
最後に傑作になっていれば誰も文句言わない。


小さな細かいセリフや言い方を変えるだけでも、
大きく雰囲気が変わることがある。
大工事しても印象が殆ど変わっていないこともある。

全ては、「考えうる一番面白い冒険を作るため」だ。


メインストーリーは一体どういう展開なのか。
Bストーリーは一体どういう展開なのか。
(Aストーリーの結末は変えないものだが、
Bストーリーの結末は変えることが出来る場合もある)
CDE…についても同じくだ。
その絡みは変わり得るか。
順番を変えたら面白くなるか。
一本道がいいか、複数走って切り替えがいいか。

その中で不動点もあるはずで、
それは動かすべきではない。
個人的には、ミッドポイントと、
ボトムポイント(3/4あたりにある最も暗い洞窟)は、
不動点になると思っている。
それ以外は比較的自由になると思う。
二幕全体の設定部分(非日常世界の理解)、
Bストーリーの始まりの仕方、
各サブプロットの始まりのタイミング、
初手にやるべき行動、
などはいくらでも変更できる。
それが最も魅力的でかつ伏線として機能する、
何かであるように組み替えても問題はない。


リライトはプロットで考えた方がいい。
Pがあり次にQがあり次にRがあり…
と逐次式で考えるべきだ。
そしてPゆえにQ、QゆえにR…
と直接それらが原因と結果の関係になっていれば、
どんな世界線パターンでも面白くなる。

で、その中で一番面白いやつを書くべきである。

この時、三幕構成理論のページ数は意識するべき?
あまり意識しない方が面白くなる。
あとあと切ったり伸ばしたりすればいいから、
まずは一番面白いバージョンを作ることだけを考えれば良い。


こうしたらもっと面白くなるのでは?
こうした方がさらにドキドキするのでは?
こうした方がさらに悲しみが増すのでは?
こうした方がさらに敗北感があるのでは?
こうした方がさらに勝利が嬉しいのでは?
色んなリライトがあるだろう。

毎日アイデアは出る。

何をやってもそれ以上面白くならないとき、
それがその二幕のマックスの面白さだ。

経験上、
二幕はプロット段階より執筆を終えたあとのほうが、
より面白くプロットを作り直せる。
箱庭の枠組みが見えやすいからだと思う。
posted by おおおかとしひこ at 10:53| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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