2020年02月21日

脳内お喋りがストーリーをダメにする理由

「その場面は、そのキャラクターにとって、
立った場面でなくてはならない」から。

「そのキャラクターならではの場面を描け」
などと教科書ではよく言う。

それは、
そのキャラクターっぽい喋り方のことだろうか?
そのキャラクターっぽいポーズのことだろうか?
そのキャラクターっぽい話題を喋ることだろうか?
そのキャラクターっぽい必殺技のことだろうか?

僕は全部違うと思う。
そのキャラクターの行動のことだと思う。


ただ適当で無茶な行動ではだめだ。
そういう文脈の時、
そのキャラクターがその行動をすることで、
そのキャラクターが考えていることがわかり、
なるほどそのキャラクターらしいな、
と思う行動がベストである。

一人の時の行動でもいいし、
人前で見せる行動でもいい。
出来れば人前のほうが、
周囲が理解したり誤解したりするリアクションが作れるので、
話が進めやすいだろう。


ストーリーは、
「話す」「見る」「知る」以外の、
行動で展開するのであった。

喋っているだけでは進まないのだ。


喋ることは、そのキャラクターらしさを描くので、
やってて楽しいパートではある。
(なんなら二次創作はそれだけをしているジャンルだと、
狭義に解釈できる)

しかしそれは、
「そのキャラクターならではの場面」
になっていない。
正確にいうと、
「そのキャラクターが強烈に印象に残る場面」
ではない。

「不良がこっそり捨て猫を拾う」という例を出すと、
「拾う」という行動が、
彼の真の優しさを表現するわけだ。
普段のお喋りで優しいことを言っていても、
優しさの表現にはならないのである。


脳内のキャラクター同士のお喋りを記録するのはとても楽しい。
しかしその間、
ストーリーは停滞している。
なぜなら、行動をしていないからである。
posted by おおおかとしひこ at 11:25| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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