2020年03月12日

梗概のトレーニング

梗概とは、あらすじのことだ。
小説業界でよく使われる。
あらすじの中でも、落ちまできちんと書いたものを言う。
これを何回も書くことは、とてもトレーニングになる。


自分の書いた話が勉強になるが、
何かの名作で練習してから、
自分の話でトレーニングしたほうが分りやすいかもしれない。

1 まず2000文字で書く。
2 次に1600文字で書く。
3 次に1200文字で書く。
4 次に800文字で書く。

くらいに、よっつのバージョンの梗概を作ってみる、
というトレーニングをしてみよう。

やってみて分るが、
落ちまで書くことで、
全体のバランスでどこを重視して、
どこは書かなくて良いかを判断することが、
とても勉強になるわけだ。

これは骨格がどこにあるのかを見るトレーニングである。
2000文字程度だと、
まだディテールを書いている余裕があるが、
これが1200くらいになってくると、
うまく端折らなくては書けなくなる。

そもそも、冒頭の問題が、
ラストにうまく解決した、ということのペアが書けていなくてはならないし、
キーになることが書けていなくてはならない。

それぞれの分量を見積もることは大変難しい。
2000字ではディテールがかけたものを、
1200字では省略しないといけなくなるし、
1600字で普通に書けた部分は、
1200字だと文字数が少なすぎて、印象に残らないかもしれない。

それぞれの文字数によって、
適切な表現は全て異なる、
ということを学ぶのに、
梗概をかき分けることは、大変勉強になるよ、
という話。


僕はよく冒頭にログラインを書いてから、
梗概を始めることがあるが、
それは2000字程度なら効果的な導入だけど、
1000字になればもったいなくなる。
そのログラインを書いてて得することと、損することがある。
そういった判断力も実戦で磨かれるので、
何本か練習してみることをお勧めする。

最近見た映画でもいいし、
面白いやつに限ったほうがいいかもしれない。
逆に、面白く無かったやつは、
やっぱりあらすじも面白く無いんだなあ、
などと分析してみるのも勉強になるだろう。


全体の文字数によって、
大事に書くべき部分と、省略する部分は異なる。
全体を見てから部分を見積もる能力が、
これで鍛えられると思う。

必ず何バージョンもやること。
コピペしてもいいが、通しで読んでみたときにストーリー全体の印象が同じようになること。
逆に、同じ文面を一度もかぶらせず、
異なる文字数の梗概は全部異なる文面で書いてみること、
などがトレーニングとして最適だとおもわれる。
posted by おおおかとしひこ at 11:03| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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