2020年03月07日

タイトルがひどい

「湯を沸かすほどの熱い愛」のDVDに収められていた、
予告編のラインナップのタイトルが、
全然面白そうじゃない件。


(邦画)
オーバー・フェンス
SCOOP!
聖の青春
怒り
Oh My Z!
永い言い訳
オケ老人!
何者
ボクの妻と結婚して下さい
アズミ・ハルコは行方不明

(洋画)
ブルゴーニュで会いましょう
マイベストフレンド


俺はこれから、何を期待すればいいんだ?
これはなんの話で、何を楽しみにすればいいんだろう。


オーバー・フェンス

塀の外と中の話だろうか?
野球の話?
「障害を超えよう」みたいな話?
説教くさそうだな。


SCOOP!

スクープハンターの話だろう。
文春内部の話か、大統領スキャンダルみたいな話か。
ヒトラーのスキャンダルには、「アドルフに告ぐ」があったな。
で、これが追うメインの話はなんだろう。
情報がないということは、
なんだか詰まらないテーマになりそう。
「告発の行方」みたいなドキドキ感も得られない。
ただのキャラクタームービー?


聖の青春

聖で「さとし」と読むところから、
これは個人名のようだ。
将棋の話だそうな。
青春万歳の話?
おいまた難病ものかよ。
死ぬ間際になって、将棋は僕の青春でした、
とか言うんだろ?


怒り

勝手に怒れや。


Oh My Z!

老人Zってあったなあ。
ゾンビのZらしいけど、どういうオリジナリティがあるのか、
まったく伝わってこないのでヒキなし。
オーマイダーリンみたいな古臭いタイトルを重ねたのなら、
ゾンビとのラブストーリーだろうか?
でもテーマが読めないよね。
ドタバタコメディ以上のヒキがない。


永い言い訳

文芸の匂いがするが、「永い」表記のせいだろうか?
じめじめした話っぽいなあ。
「永い閉じ込め」とかならまだ興味あるけど?


オケ老人!

ボケ老人とオーケストラ老人をかけてるのね。
田舎×ブラバンの焼き直しだな。
認知症ギャグとか、初恋話をからめて、
生き甲斐みたいな落ちにするんでしょ?どうせ。


何者

お前が何者やねん。
朝井リョウ原作らしいが、それがなければ1秒で無視。
何者かに攻撃される話?
家族に知らない何者かがいた話?
「俺たちは一体何者なのか、わからない」
で終わったら殺すぞ。


ボクの妻と結婚して下さい

「ん?」というヒキがある。
夫が余命宣告され、
残される妻のためにかわりの旦那を探す話だという。
面白そうじゃない?
前半コメディで引っ張っておいて、
後半凄い泣ける話になるんだよね?
暇だったら見てもいいかな。
こういうのは落ちが大事だよね。
ラスト死ぬのは決まってるし、旦那も見つかるんだろうけど、
凄い泣けるのか、
あるいは相変わらずコメディなのに、
だからこそ泣けるのか。
後者だといいなあ。


アズミ・ハルコは行方不明

「桐島、部活辞めるってよ」と同じく、
アズミ・ハルコは出てこないのだろうか。
そんなマルパクリしないだろう。
コメディなの?泣けるの?
よくわからんね。ヒキなし。


ブルゴーニュで会いましょう

ワインの話なんでしょ?
それ以上の情報なさすぎ。
観光映画?


マイベストフレンド

難病ものの匂いがする。
泣かせにかかるんでしょ?
老人の話とか、子供の話ならいいかもだけど、
なんだか普通っぽいなあ。
ベストフレンドだと思ってたのが実はイマジナリーだったとか、
風俗嬢だけどベストフレンドとか、
一捻りないと詰まらないだろうなあ。



タイトルだけで、
僕はここまで想像した。
早送りで見たビジュアルは想像の参考にしたが、
それだけ。

暇なら、「ボクの妻と結婚して下さい」は見てもいいかな。


タイトルはキャッチコピーである。
ヒキがないタイトルなんてキャッチコピーの役割を果たさない。
キャッチのないコピーだ。
「省エネナンバーワン!」がキャッチコピーになるわけないだろ。
本質を書いたってキャッチにはならない。
本質を書き、かつキャッチになるのが、
キャッチコピーという芸術である。


金曜日の新橋歩いて、
キャッチのお兄さんの言葉を聞いて、
何が人の足を留まらせるか、勉強した方がいい。
「おにいさん、乳首体操しましょう! ちっくびーさんしー」
「雨宿りとおっぱいどうですか?」
が今のところ僕が足を止めた、名キャッチだ。

「乳首体操」
「雨宿りとおっぱい」
という映画の方が、
上に並べたやつよりよっぽど面白そうやんけ。



批判ばかりしてもただの馬鹿なので、
自分の例を。

「いけちゃんとぼく」は、原作漫画のタイトルだから、
契約上変えられなかった。
なんでもいいです、となったとき、
どんなタイトルをつけるかだ。


「角を曲がれば」
はどうだろう。
posted by おおおかとしひこ at 21:18| Comment(4) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大岡様 「妻を殺してもバレない確率」という文庫本があります。すれ違っていたけれど実は…というオチです。妻に(あるいは夫に)○○をする、というのも一つのパターンのようです。そのうち、動物に○○をするというのも出て来そうです。
Posted by すーざん at 2020年03月08日 10:02
>すーざんさんコメントありがとうございます。

それはちょっとヒキがある。
なぜかというと、タイトルに謎があるからです。
「その確率は30%」「100%(完全犯罪)」
などがいくつなのか、気になるからですね。
「竿竹屋はなぜ潰れないのか」と同じで、
疑問形になっているわけです。

幽霊オチ?だとすると、犯罪ミステリーを匂わせるタイトルがそもそもミスリードとなっていて、
二重に巧妙な罠ですね。

つまりタイトルが罠になっていないと、
誰もそこに誘引されないということです。
レンタルビデオ店でも本屋でもよいので、
ずらっと並んだ背表紙だけで手に取る確率を考えればわかります。
知らないものを手に取ることこそ、一番大事です。
Posted by おおおかとしひこ at 2020年03月08日 10:28
大岡様 いつも返信ありがとうございます。タイトルが「罠」という表現が胸に残りました。確かに、受け取り手の立場になるとわかります。

興味を持ってもらえる罠、時間を割いてもらえる罠、お金を出してもらえる罠、リピーターになってもらえる罠。真剣に考えると、ハードルが高いですね。
Posted by すーざん at 2020年03月09日 01:17
>すーざんさん

だいぶ前の話になりますが、
「写ルンです」のネーミングの衝撃は、
相当なものでした。
それまでカメラは重たくプロ仕様だったものを、
一気にカジュアルにしてみせた。
iPhoneカメラだって、写ルンですからの直系のアイデアだと思います。

商品名は社運をかけたもののはずです。
映画なんてとくに何億もかけてるくせに。
その商品名のラインナップが件のもので、
僕はやる気あんのかよと思ってしまいました。
AVの棚のほうが、「いかに手に取ってもらうか」を考えているので、
レンタル棚を見てみると面白いですよ。
Posted by おおおかとしひこ at 2020年03月09日 11:19
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