何がヒキになるのか?(ガワ)
何がテーマなのか?(内容)
何がオリジナリティなのか?
どういうジャンルなのか?
まったく新しいジャンルだとしたら、その導火線になるもの。
これらが揃っていることが、
良いタイトルの必要条件であるからだ。
つまり、脚本がちゃんと出来ていることが、
そもそもの名タイトルの必要条件だ。
タイトルが良くて内容が良いのは十分条件で、
つまりは、
タイトルと内容は必要十分条件であるべきだ。
内容が良くてもタイトルが良くないと、
そもそも人口に膾炙しない。
タイトルが良くても内容が良くないと、
タイトル詐欺として噂が広まり、信用問題になる。
世の中にあるタイトルは、
そこそこ生き残ってきたものたちで、
ツタヤが在庫処分をしたら、どんどん整理されていくだろう。
予告編や上映前の宣伝は、頼らないことだ。
宣伝部がクソの場合もある。角川映画宣伝部とかね。
僕の許可を得てない宣伝活動しかしていなかった。
タイトルこそが商品名であり、
キャッチコピーであり、
本質であるべきだ。
で、それが出来ているってことは、
中身も出来ているってことだ。
良くあるのが、
いいタイトルを思いついたのだが、
内容が伴っていない場合である。
タイトルを思いつくのは一瞬だけど、
内容を書くほうが時間がかかり、
難しいからである。
内容が良いのにタイトルがまずい場合はあるか?
あると思う。
それは、タイトルのネーミングセンスが悪いのだ。
短く言い切ることは、
その99.9%を捨てることで、
たった一点だけ残して全部捨てるのは、
とても勇気が必要で、迷いが生じるからである。
でも、大体、
そのタイトルにふさわしい程の、
劇的でキャラの立った話になっていないことが多いだろう。
キャラの立ったタイトルをつけられないのは、
キャラの立ったほど面白い話でないことと、
大体相関がある。
もし先行していいタイトルを思いついたとしたら、
「それに相応しい内容はこうあるべきだ」
と逆算して考えて、
いまいちな内容をどんどんリライトして、
立てていくと良くなるだろう。
要するに、
タイトルは「知らない人から見てキャラが立つこと」が大事で、
内容も、
「知らない人から見てストーリーそのもののキャラが立つこと」
が大事なのだよ。
地味で起伏の少ない話がいい話とは限らない。
そのタイトルに相応しい、
立体的な立った話になるべきだ。
そのように、リライトしていく指針として、
タイトル先行は利用できる。
「湯を沸かすほどの熱い愛」は、
このタイトルに相応しいほどの、
破天荒熱血かあちゃんであるべきだったが、
宮沢りえはそのキャラクターに相応しくなかった。
彼女の良いところは120%出ていて、
彼女の代表作と言ってもよいが、
タイトルとは齟齬がある。
誰だったら出来るかな。
歳をとった蒼井優かなあ。
でも太った人がいいと思うな。太りはじめの松坂慶子とかかな。
また、シナリオ自体も、
もっと豪快なエピソードであるべきだったか。
動的で大阪人的な羽目を外したものが、
タイトルに相応しいと思う。
舞台は九州とかの方が良かったかもね。
(たとえば、無頼派西原理恵子の自伝的漫画「毎日かあさん」
の実写企画を2006年ごろしていたが、
その時僕が出したキャスト案は、
「下妻物語」直後の土屋アンナだった)
今の出来だと、
「湯を沸かすほどの愛」あたりだと思う。
あるいは、中の内容を反映させれば、
「湯を沸かすのは、愛という遺伝子」
とかでもいいかも知れない。
単純な、知らない人へのキャッチ力として、
「湯を沸かすほどの熱い愛」
に決定されたのだろう。
上にあげた二つではこれに負けるからね。
しかしやるべきは、
上にあげた二つ程度の内容を、
「湯を沸かすほどの熱い愛」に相応しいシナリオに、
書き直すことだったと思われる。
このように、
内容とタイトルは、不可分の関係で、
キャッチーで、強くあるべきだ。
微妙なタイトルも、微妙な内容も、履いて捨てれば良いのである。
2020年03月09日
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