めんめんつさんがフリックの考察をしてたので、
フリックのことを少し考える。
日本ほどiPhoneが普及してる国はないらしい。
ついでにLINEとTwitterも。
これ、「フリック入力環境」だと思う。
今日本人がデジタルで日本語を書くときに、
もっとも出力先で使われるのがLINEとTwitterで、
(人によってはインスタも含むか)
それはメインエディタなのだ。
外人はqwerty使ってるんですって。
そりゃやりにくくて流行らないよね。指もでかいし。
すぐ電話かけちゃうわ。
iPhoneはPCでエディタを立ち上げて、
何かを書くことより、
とてもはやい。
「はやい」には三つあると思う。
・起動までのはやさ
・ブラインドタッチ習得の容易さ
・文の短さ
だ。
・起動までのはやさ
僕はポケットにいつも物理ペンを入れている。
カバンには白紙が入っていて、
紙さえ出せばすぐに書けるようになっている。
しかしiPhoneを尻ポケットから出し、
FaceID通して何かを起動して、
文を書きはじめるのとどっちが早いか?
指紋認証に比べて、FaceIDになったことで遅くなった。
指紋認証はどんな角度からでも行けたが、
FaceIDは本体を正対させないといけないからだ。
だからカバンから紙を出すのと、同じくらいのはやさかな。
カバンがあれば僕は最近物理メモが増えた。
歩きながらや電車の中ではiPhone。
これにPCは全く勝てない。
トイレ中や飯食いながら書くことが出来ない。
移動中には出来ない。
カバンからPC出して、インナーバッグから出して、
起動して、エディタ立ち上げて、やっと書ける。
しかも場所を取り、画面に正対しないと書けない。
コーヒーぶちまけたら多分終わり。
すぐ出せるキーボードとして、薄いBTパンタグラフも持ち歩くが、
それでも電源スイッチ押してスペース確保して、
などはフリックの起動より全然遅い。
自作キーボードは最高にいいが、
左右分割に置き、左右間ケーブルを繋ぎ、本体USBも繋がないといけない。
MiniAxeのいいところはこれらをマグネット化できるところだが、
カチッてやることすら、iPhoneの起動には間に合わない。
ああ、マウスも電源入れなきゃ。
デスクトップはさらにだ。
常時スリープさせていたとしても、そこまで行かないといけない。
会社のPCはIDとパスワードが要求され、
毎度毎度立ち上げ待ちがある。
「思いついたことをすぐ書きたいはやさ」
において、フリックと物理メモは優勝。
PCは論外。
・ブラインドタッチ習得の容易さ
フリックのブラインドタッチは、
僕は左手持ち右手人差し指だ。
視線は文章と変換候補を行き来する。
飯屋やカフェだと、机の上に置いて左手は使わない。
この楽さは、ペンに近い。
変換候補選びだけが面倒だ。
全部打たなくていいのは名詞くらいで、
連文節変換するわけじゃない。
(それはあとで論ずる)
ブラインドタッチは、一週間もすればできるようになった。
これはキーボードに比べ圧倒的に早い。
qwertyローマ字で一ヶ月はかかるでしょ。
ブラインドタッチ習得慣れしている配列マニアでも、
そこそこの速度になるまでは、一週間かかる。
起動、速習性、この二点において、
「使える」までのはやさが、
10倍以上開いていると僕は思う。
だからiPhoneでLINEとTwitterなのだ。
(僕は新規未送信メールかメモ帳にメモをするか、
ここのブログが出力先)
・文の短さ
これはフリックの利点と欠点の両方である。
フリックでの文章は、短めになる。
だから書き終えるのがはやい。
画面が小さい、滑らせて打つとはいえ行段系の手間、
単文節変換で連文節変換ではない(文節伸縮がない)、
など、欠点はあるものの、
「動物の鳴き声」レベルの文を書くなら、
フリックがはやい。
欠点はこれ以上の深い思考や長い文章を書くのに向いてないこと。
Twitterが炎上するのは、
フリックのせいだと僕は思う。
思考より先に感情が来て、
しかも文字数が少ないから、
自分の思考を全部俯瞰しづらい。
短く書いても感情が収まらず、
連投しがち。
キーボードで書けばまだ理性的になる。
連文節変換があるから長い文の入力も可能だし、
画面の広さは俯瞰させる。
読み返しもするだろう。
フリックでは意識的な読み返しが難しい。
カーソル位置の移動が困難で、
再変換やコピペも困難だからだ。
アンドゥのしづらさもあるだろう。
動物の鳴き声レベルと書いたのはそういうことだ。
それを制御して、理性的な文章へ昇華する方法が豊富ではないのだ。
僕は毎日フリックで書いてるから、
そのへんは慣れたけど、
フリックで長文書き慣れてない人は、
長い思考に耐えられずに、口述筆記のように話がよれていく。
もっとも、キーボードであろうが、
長文に慣れてない人は、
2ちゃんの煽り合い程度しかできなくなるが。
(Twitterでまともな意見を書いてる人は、
PCで書いてると思われる)
PCの問題点は、
エディタがろくなものがないこともある。
wordは論外。僕の速度帯からは処理が遅すぎる。
一万字も書けば異常に重くなる。
メモ帳はフォントがダサイ。
あと僕のSurface3ではまだ遅い。縦書きもできないし。
meryも遅い。プログラミングレベルでは重宝。
結局、機能がほとんどない(アンドゥツリーも一回までしかない)、
iTextを僕は愛用している。劇軽。
縦書きだけできて、フォントがましで、
劇軽なエディタは、今のところiTextだけだ。
TATEditorはよいがまだ重い。
1800字/10分くらいの速度でまともにレスポンスがあるエディタは、
デスクトップならそこそこなんでも動くだろうが、
持ち運ぶ前提のタブレットでは、なかなかない。
フリックのいいところは、
エディタがそこそこいいものがあることだ。
重いと感じたことはないなあ。
手書きはいくらでもレイアウトできるし、
紙をどんどん追加すればいい。
創作の雷が落ちて、東銀座駅のホームのベンチで、
小説「てんぐ探偵第一話」を一時間ちょいで書いたのは、
少し前のことだ。
フリックでもPCでもこうしたことは出来ないだろう。
フリックならばおおまかなメモしか取れない。
PCはカフェ探しをしてる間に蒸発する。
ノートPC膝打ちでは、恐らく最後まで書けまい。
フリックは、短い文の集成を、
すぐ書くことに適している。
だから日本人は、バカになった。
落ち着いて思考をめぐらすとか、
長い文章をコツコツ仕上げるとか、
それらをブラインドタッチで一気書きすることは、
特殊な能力かも知れない。
そういう人しか文章を書いてはいけないのに、
その能力がない人がツイートできるようになって、
知性の平均値がガタ落ちしたと思う。
で、一回落ちた知性はあがらない。
人は易きに流れるからだ。
今のフリック層が、
キーボードのブラインドタッチを習得するとは思えない。
キーボードできる人がフリックをマスターすることはできる。
しかしデジタルネイティブが、
スマホネイティブになったとき、
日本の知性はそこからは育たないと考える。
知性は別のところからやってくるだろう。
長い文章を書くことは、
スマホとは別の技能が必要だ。
ノートPCやタブレットの方がデスクトップより多くなったが
(主に価格の問題で)、
そこでwordでqwertyしか使えないならば、
やはり知性のレベルは上がらないと思う。
qwertyローマ字が使い物になるのは、
1000字(変換後)/10分程度の速度が必要で、
真面目にやっても2年くらいかかるんじゃない?
マスターしても長い文章ほど不合理な動きだし。
長い文章というのはたとえば1万字を僕はイメージしている。
(先日書いた小説は、だいたい13万字でした)
文章を考える脳に対して、
qwertyは手を動かす負荷が大きすぎると思う。
たとえ無意識化できても、
お前はドラムを打ちながら車を運転できるのか、
ということだ。
僕はタイパーをすごいとは思うが自分と関係ないと思っている。
優秀な早撃ちドラマーに過ぎず、
僕がやりたいことは運転だからね。
ということで、PCでの書き物は、
qwertyローマ字を使う限りお先真っ暗で、
フリックを使う方が合理的だ。
あとは長さに耐えられるかという個人の問題で、
90%以上が無理だろう。
親指シフト派は、
このことを無意識で知っている希少種だ。
しかし親指シフト以上のいい配列はもっとある。
薙刀式はそのひとつで、
課題は親指シフトと同様、
「フリックより弁当開くまで時間がかかる」
だけだ。
ポメラに薙刀式が搭載されたら変わるかな。
いや、あんなヘボヘボパンタグラフはいらないや。
MiniAxeが無線化すれば、歴史は動くかも?
(BLEmicroを勉強しようとしたが、
デフォルト以外のセッティングをしようと思うと、
電子工作の知識からやらないとだめそう…)
ということで、
短いのはフリック最強。
長いのは、薙刀式が僕には最強。
(これは人によって新下駄でも飛鳥でも月でもその他新配列でも)
qwertyローマ字がデフォルトであり続ける限り、
日本人の平均知性は、Twitterの平均くらいにデッドロックすると思う。
これは大変憂慮すべきことで、
こんなことに気付いてるのは、
配列屋くらいかな?
フォントを変える機能はあるのですが、おすすめのフォントはございますでしょうか。
フォントは昔から游明朝一択だったのですが、
Windowsの大型アップデートで縦書きバグが発覚して以来、
使ってないですね。(復帰したかは未確認)
今は教科書体でお茶を濁してます。縦書きと相性が良いので。
横書きは游ゴシックでも見やすいのではないでしょうか。
メモ帳は軽くて動画撮影にはいいけど、
行間や文字間を美しく調整できないので、
長いこと書くエディタとしては好きじゃないですね。
TATEditorは行間や文字間、ページレイアウトなどを相当細かく調整できるので、
游明朝をかなり美しく表示できて、一時期はメインエディタでした。
(設定ファイルを作るのに印刷物込みで二週間かけた)
なぜか縦書きバグも起こらないし。
仕事ではモリサワ系(A1明朝とリュウミン)をよく使うので、
なるべく近いイメージが好みです。
フリーフォントだと源ノ明朝もたまに使います。
薙刀式動画で使ってるのはこのあたり。
マシンスペックがあれば、
文字間行間調整した美しい明朝系でエディタを動かすと、
頭良く見えるかもですね。
iTextは軽くて便利ですが、設定に癖あります。
自分の設定したファイル、そのうちアップします。
とりあえず教科書体を試してみます。
設定ファイル等たのしみにしております。