とよくいう。
「いい出来とは限らない」
「いい出来だと思ってたが受けなかった」
「大したものじゃないと思ってたのが受けた」
からだろうか。
これは作品と大衆の関係で理解できると思う。
そうじゃない、別の事情。
東京五輪が一年延期になったのは記憶に新しいが、
早くも7月開催で話が纏まりつつあるらしい。
なんでやねん。
暑すぎ問題で大ブーイングだったやんか。
今秋開催にするチャンスやんけ、てかなんでそうせえへんねん。
それは、「会場を押さえる関係」だ。
会場だけでなく、電波もだ。
わかりやすく会場だけで考える。
来年7月の会場を抑えるには、
どれくらい前から動かないといけないだろう?
僕はイベントの専門家ではないが、
一週間前では無理なことはわかる。
居酒屋に忘年会の予約入れるのだって、
二週間前じゃ遅いこともあるよね。
海外旅行は半年前?
国内旅行は一ヶ月前くらい?
から予約しないといけない気がする。
たとえば、野球場は、野球のためだけに貸してるわけじゃない。
東京ドームコンサートや、
親子スポーツ教室に貸したり、
あるいは映画やらCMの撮影に貸したりしている。
勿論プロ野球がメインだが、
それ以外の用途でも稼いでいるわけだ。
5万人規模の会場は、どれくらい前からスケジュールが決まっているのだろう。
あるスケジュールを動かしたら、
他方に迷惑がかかり、それが別の会場を抑え…
という玉突き連鎖があることは明白だ。
一週間に一日稼働すれば儲かるのか、
毎日稼働しないとペイしないかは会場によるだろうが。
つまり、
イベントは土地の奪い合いという原始的な勢力争いである。
来年の東京五輪7月開催情報は、
そのような争いの結果であることが予測される。
電波という土地の争いもその方向でやれ、
ということだろう。
(電波のほうが儲かるから、電波ありきかもだが)
さて興行論だ。
つまり、
イベントは、ハコのスケジュールが先に決まって、
ずいぶん長い間準備期間があって、
催し物、コンテンツがあとで完成する。
たとえば東宝シネマでは、
一年先まで放映スケジュールが決まっていて、
二年前までに、
女性向け○本、男性向け○本、子供向け○本などの、
上限が決まっている。
大作や小品のバランスまで決まっているかは知らない。
これをやってるのが、
制作部から評判の悪い調整部という部署らしい。
制作部は今作るべきだと主張しても、
二年先のハコが全部埋まってるから無理、
と調整部は返すのだそうだ。
明らかにこれは自由な映画作りを妨げているが、
興行の本質が先にハコを抑えることであれば、
致し方なしなのかも知れない。
理想は、
出来上がった面白い順でかけていけばいいと思うが、
安定した供給(質量ともに)が見込みが立たない以上、
見込めるスケジュールを作る部署として、
調整部が出来たのだろう。
相場師みたいな?
で、ようやく本題。
なぜ興行が水物なのか?
何年も前からの弾丸を、今打つからである。
予定していた出来とは限らない。
出来と儲けは、ずれることもある。
だから、「わからない」としか言いようがない。
だから、「わかるもの」、つまり原作ありとか、人気芸能人で、
担保を取りたがるのだろう。
人は、目をつぶって崖に向かって走れない。
興行が、ハコ先取り方式である以上、
過去に企画されたものしか流せない。
一方、ネットでは、
今出来たものが今流れる。
だから、ハコモノ興行は、
今後衰退するかも知れないね。
鮮度が違うんですもの。
鮮度に左右されない、鈍重な名作しか、
ハコモノではかからないかもしれない。
ということで、
東京五輪は7月に決まりそうで、
これから映画館に来る映画は、2、3年前に企画されたものだ。
ハコの調整が三ヶ月くらい前でよくなれば、
もっと柔軟になるだろうか?
(追記:
100日後に死ぬワニが、仮に20日目あたりで広告代理店の目に止まったとしよう。
広告代理店たちは、
80日後の感動的完結を期待して、
グッズを作り、PVを作り、ステマ計画をし、
書籍化や映画化に動き、カフェや追悼ショップを計画し、
ゲーム制作へ動いた。
80日後の見込みと、出来がずれていたわけだ。)
2020年03月29日
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