押井守の最高傑作かな。
うる星の漫画とアニメのブームありきの劇場版と思いきや、
単品として傑作SFにしやがった。
以下ネタバレ。
ループものの元祖の一本ではないだろうか。
「文化祭前二週間をなぜか繰り返す」
という設定が最高だ。
僕はこの感じがやりたくて、この業界に入ったようなものだ。
また、
原作者が激怒したラストにも注目。
あたるがラムを口説いてしまうという結論を、
原作より先にやってしまい、
しかもかなり良かったのが問題。
原作のラスト「忌の際に言ってやる!」も好きだけど、
僕はこっちのラストのほうがあたるらしいと思ってしまう。
崩壊した町なのに、新聞配達は毎日来る、
という感覚は、
今でこそ正常化バイアスなんて名前がついていて、
震災後のコンビニに並ぶ日本人特有の感覚となっているが、
この頃にはとてもシュールだけど「わかる」という、
名前のない感覚だった。
温泉やメガネをうまく使うのは、
押井演出の真骨頂だ。
全体の構成は極めてシャープ。
あの頃のアニメ映画は90分で二本立てだった。
それゆえ、まるで短編小説を読んでいるような、
クラクラした感覚が味わえる。
構成がしっかりしているのでとても見やすい。
2020年04月07日
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