2020年04月07日

名画劇場6: うる星やつら2ビューティフルドリーマー

押井守の最高傑作かな。
うる星の漫画とアニメのブームありきの劇場版と思いきや、
単品として傑作SFにしやがった。

以下ネタバレ。


ループものの元祖の一本ではないだろうか。

「文化祭前二週間をなぜか繰り返す」
という設定が最高だ。
僕はこの感じがやりたくて、この業界に入ったようなものだ。

また、
原作者が激怒したラストにも注目。
あたるがラムを口説いてしまうという結論を、
原作より先にやってしまい、
しかもかなり良かったのが問題。

原作のラスト「忌の際に言ってやる!」も好きだけど、
僕はこっちのラストのほうがあたるらしいと思ってしまう。


崩壊した町なのに、新聞配達は毎日来る、
という感覚は、
今でこそ正常化バイアスなんて名前がついていて、
震災後のコンビニに並ぶ日本人特有の感覚となっているが、
この頃にはとてもシュールだけど「わかる」という、
名前のない感覚だった。

温泉やメガネをうまく使うのは、
押井演出の真骨頂だ。


全体の構成は極めてシャープ。
あの頃のアニメ映画は90分で二本立てだった。
それゆえ、まるで短編小説を読んでいるような、
クラクラした感覚が味わえる。
構成がしっかりしているのでとても見やすい。
posted by おおおかとしひこ at 00:51| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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