2020年04月09日

名画劇場8: ダンガル

濃いついでに、インド映画もう一本。
インド映画は見たらへとへとになるまで疲れる。
その日一日中何も出来なくなる感じ。
だがそれがいい。それこそが、劇場に求めるものだ。

ネタバレで。


トップシーンがまず上手い。
音だけの中継と、会社の中のレスリングがだぶる。

そして事件が上手。
「インドレスリング再興を目論む男に、
女しか生まれなかったら?
女版、インド版、ロッキー親子?」
という絶妙な設定でやってくる。
(これが実話インスパイアとはね)

序盤のどんどん勝ち進んでいく姉妹は面白いし、
中盤のクソコーチとの確執は最高だ。
悪役の見本のようなムカつきを分析しよう。

僕が好きなのはクライマックスの閉じ込められたあとで、
インド国歌斉唱で優勝を知る場面。
なんというドラマだろうか。
娘の独り立ちと願いが叶ったことの、
両方を示す、大感動な場面だ。

こうした、クライマックスやラストにピークを持ってくるのが、
名画の条件ではないだろうか。


レスリングのルール説明も異常に分かりやすく、
レスリングを僕らは初見なのに、
試合展開が手に取るようにわかる。
その説明の分量と試合の描き方は、分析に値する。

そのときの逆転ポイントをクライマックスに持ってくるのも、
お約束とはいえ燃えるよね。
「伏線は、解消を期待させる」よい見本だ。
posted by おおおかとしひこ at 00:43| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。