マイナー作品も紹介したいんだけど、
名画といえば何度もテレビ放送してるメジャーを選ばざるを得ないなあ。
ということでネタバレ。
兄と比べられたスーパーの場面。
お前小説家になれよと言われる場面。
そして夜に大食い大会の作り話をする場面。
給食費の件で傷ついた親友。
旅は、色んな秘密を言い合う会かも知れない。
誰にも言わなかった鹿と会った朝は、
とても印象的だ。
「死体を見つけにいく」という怖い目的の旅をしていく上で、
それぞれの内面を描き、ひと夏の成長をさせる構造。
目的はなんでもよかった。(マクガフィン)
少年たちが「やべえ」と思える何かであれば。
たとえば「西の国にありがたい教典を取りに行く」という西遊記も、
実は同じ構造(外枠)だ。
あとは、その「目的」が、そそるかどうか。
「死体を見つけにいく」という、ぞくぞくする感じがとてもよい。
最後、どうやって不良兄貴を黙らせるのか。
主人公が主人公たるアメリカ映画は、
やはりこういうところが強い。
冒険を終わらせる(解決)のは主人公。
キャンプの夜(ミッドポイント)に中心になるのも主人公。
この辺のバランス感覚がアメリカ映画だ。
日本だったらすぐ主人公を引っ込ませて、
「活躍する誰かを見ている人」を主人公にしがちで
(「落下する夕方」などにあるメアリースー)、
それは面白くないんだよね。
それぞれに悩みはあるものの、
旅の終わりが解決になったかはどうか分からない。
しかし町に帰って来た時、
4人とも「町が小さく感じた」というのが、
この物語のテーマを端的に示している。
冒険、夏、成長を、鮮やかに切り取った。
それを、
「こんな友達、もう一生できない」
と繋ぐラストは、キャッチコピー(コンセプトワード)として最高だ。
日本には「少年時代」という名作がある。
ラストのSLの場面が一生残る。
併せてどうぞ。
帰ってこれなくなるのが怖くて未読です。
近所の本屋が休業中で、手持ちの積読がそろそろなくなりそう…