配列を変えよう。新しく覚えるのだ。
そうした時妨げになるのは、
「配列は一文字一文字覚えて、それを拾い打ちしていく」
という直感だ。「ひ」「ろ」「い」「う」「ち」みたいな。
そうじゃなくて、「なるべく二連接で覚えて、ダラッ、ダラッと打っていく」
とよい。「に」「れん」「せつ」みたいな。
合理的に設計された新配列ほど、連接が繋がりやすい。
たとえば、新下駄配列はそれに特化した配列だ。
>いなっちょ(イナガワタツヤ)
>新下駄配列はシフト面が6面という複雑さがやはりネックかな。打鍵すること自体に脳のリソースの大部分を持っていかれてしまう。
>ニコラは考えなくてもスラスラ打てたけど、慣れれば新下駄もそうなるんだろうか。 配列が頭から消えて無意識で打てるのが理想なんだけど。
というツイートを見かけた。
この人はまだ新下駄を始めたばかりだから、
新下駄の神髄、連接効率の良さについては、
まだ実感がないのだろう。
「ひ」「ろ」「い」「う」「ち」の段階だからだ。
これがそのうち、
「ひろ」「ろい」「いう」「うち」
の連接を覚えていけば、滑らかにヌルッと打てる、
ということにはまだ気付いていないのだろう。
日本語には、(とりあえず)119カナがある。
(清音46、濁音21(ヴを含む)、半濁音5、小書き10(っゎを含む)、
清音拗音21、濁音拗音9、半濁音拗音3、句読点長音3とした。
外来音は除いた)
まずこれを覚えないと、拾い打ちが出来ないのは確かだ。
(清濁同置、半濁音同置、小書き同置、
拗音同置、などのボーナスがあれば記憶負担はガクッと減る)
しかしほんとの目標は、連接を覚えることだ。
119の二乗、14161通りの指の動きが滑らかになったとき、
はじめてマスターしたと言えるだろう。
(さらに本当は三連接以上の言葉をさくっと滑らかに連接出来たほうが、
さらに滑らかになるが、ここでは議論しない)
とはいえ、二連接の出現頻度は偏っている。
たとえば70%の出現頻度は滑らかに打てて、
あとの30%は拾い打ちでカバーする、
などという場合に、「おおむねマスター」と定義しよう。
ちょっと計算してみた。
kouyさんの100万字統計によれば、
二連接出現頻度の約70%は上位700である。
つまり、700/14161、全二連接のうち、
わずか5%をマスターすれば、
「おおむねマスター」といってよいことになる。
これは朗報だ。
偏りすげえ。
ものすごく乱暴な計算だが、
119+700=819を覚えとけば、
新下駄配列を「おおむねマスター」と言えるわけだ。
おそらく、
ここに至るまでの道のりが長いため、
多くの人が合理的なカナ配列をマスターした感覚を得られないのだと、
僕は予想している。
(一日10個マスターしても82日。これは長すぎる期間。
30日でマスターするには一日27個ペース。最初はいいがあとがきついだろう。
おそらくこの間くらいの、学習期間になる)
とくに新下駄は、初期投資の119がしんどいだろう。
(僕は挫折組だ)
それが終わってもまだ700あるよ、と言われたら膝が落ちると思う。
(ちなみに、
飛鳥だと拗音同置として86、
親指シフトだと濁音同置で65、
薙刀式だと色々同置で50に、
それぞれ初期投資が下がるので、
最初の心理的ハードルは下がると予測される。
でもどうせそのあと700やんないといけないんだけどね)
たとえば二連接トップ100を覚えれば、
おっ、なんか書けるぞ、なんて感覚がやってくる。
それまでの我慢が出来るかどうかが、
挫折するかしないかの瀬戸際かもしれない。
同様に足し算すれば、
新下駄219、
飛鳥186、
親指シフト165、
薙刀式150。
カナ配列は、ここからようやく本番だと思う。
本番までの準備が長いんだなたぶん。
ローマ字だと、
初期投資26(QCXのぞき、句読点長音含む)、
二連接は126(子音→母音で75、母音→母音で25、
子音→子音は促音15、拗音11。外来音は除いた)
これらの152をマスターしてしまえばいい、
ということになる。
ローマ字をマスターしたころ、
カナ配列はようやく本番なんだということがわかる。
しかし合理的なカナ配列のメリットは、
連接の気持ちよさ(連接の運指効率)に一番あるわけで、
本番さえはじまればそれを体感できる。
とくに新下駄は連接効率の最良配列(のひとつ)だから、
それが分かると面白くなるだろうね。
ものすごく荒い計算だけど、体感に近いような気がする。
カナ配列を滑らかに打てるようになるには、
それなりに時間がかかるが、
その見積もりにどうぞ。
薙刀式は、本番までの簡便さに優位性があるかもだ。
ローマ字マスターくらいだから、その後は楽しくなるばかりだし。
もちろん最速最効率は新下駄がトップクラスだが、
そこまでのコストの見通しに、上の結果は役立つかも。
2020年04月21日
この記事へのコメント
コメントを書く