方向性は見えました。テーマもなんとか落ちがつけられそうです。
感動ものにするか、ちゃんちゃん終わりにするかはまだ決めていません。
コメディといってもいろんな温度差があるので、
題材と相談しながら考えていくことにします。
(おそらく、スカートめくりをクライマックスにする以上、
バカバカしい軽みでやったほうがまとまるでしょう)
全体の構成を考えるうえで、中盤のことを考えておきましょう。
中盤はもっとも難しいパートです。
頭とケツ、つまり事件の発生と解決は描けても、
中盤次第でその話の満足感は変わってきます。
「話の展開に引き付けられること」がその醍醐味です。
変わった事件が起きて、そこにのめりこんでいるうちに、
話がどんどん転がって、感情移入もできて、
うまく解決したので、なんだか満足する、
というのが理想でしょう。
ということは、論理的に考えられるのは、
「方向性を同じままにせず、
いったん別の方向へ転がす」ことが必要ということです。
15分間、まったく同じことに集中していることは、
とても難しいです。
同じ焦点を延々追いかけるのは、飽きてくるからです。
なので、ふつうは、
「いろんな焦点を持ってきて、
話題を変えながらストーリーを進行させていく」のが普通です。
出会った二人は、カゲを退治しなければならない理由、
お互いの事情について知るでしょう。
それを解決する方法について、スカートをめくる以外ない、
ということに戻ってくることを想定すると、
一度「スカートをめくる以外の方法があり得るのか」
について、話を転がしたほうがいいということがわかります。
スカートをめくらせろ!
→事情を説明
→それはわかったが、スカート以外はないのか?
→色々やってみる
→やっぱスカートめくりしかないじゃん!
という流れです。ここがコメディパートになるでしょう。
タイトル通り、「化け物退治はスカートの中で」にふさわしい、
お楽しみポイントになるはずです。
スカート以外はないのか?
鏡で反射する(余計変態)、
スカートの中でフラッシュをたき、追い出す(さらに変態)、
意図的にやるからやらしい、偶然風でめくれたことにしよう(何やってんだ?)、
などに展開することが可能でしょう。
これらは、
「スカート以外はないのか?」の問いに対して、
スプレッドになっています。
あれこれ試す、のネタの一部に過ぎず、
展開自体はしていないことに注意されたい。
展開するにはどうしたらいいのでしょうか。
カゲの性質をひとつひとつ知っていくことと、平行でやればいいのです。
まずカゲが取り憑いたかどうか、目視で確認したい、
目視で嫌がるなら、偶然スカートが風でめくれたことにしよう、
カゲとはどういう存在か、
影を好むから、スカートの中だ、フラッシュを焚けば、
のように、カゲとはどのような存在なのか、
ということと絡めて展開していけます。
あと、どういう展開があるか考えましょう。
シバタを絡めてもいいですね。
元原稿には、意識が乗っ取られる、という展開があります。
これいるかな。
ないほうが、ミカとアラギのコントを伸ばせるのではないでしょうか。
ネタに困ったらこれもありだけど、
もっとスカートめくりのネタを増やせそうです。
たとえば、
「ミカはアラギの死んだ妻にそっくり」という展開を加えるのはあるかもです。
それで死んだ妻のエピソードを出しやすくなりますからね。
「まさか、死んだ妻にそっくりの女のスカートをめくることになろうとは」
というセリフも笑える展開をつくれそうです。
あとはシバタに幻滅させないといけないですね。
元の原稿では、そこがよくわかりません。
店の手際が悪いことと、腕っぷしが弱いことくらいか。
これはイケメンとは関係ない要素です。
もう少しコメディなりの大袈裟な幻滅を用意してもいいと思います。
カゲを一匹でなく二匹にして、シバタにも取り憑かせる展開はあるかもです。
たまたまシバタも黒いパンツをはいてきていて、
男なら脱がしてもいいか、とアラギが脱がして、
貧相な体をさらすとかかな。
いや、もっと大袈裟にするならば、
シバタは仲間の罰ゲームでデートを誘った、ということにするのはどうでしょうか。
モテていたと勘違いしたことで、ミカは傷つくことになるでしょう。
スマホにその計画の動画が全部残っていたりなど、
一瞬で分かるのがいいですね。
「ブスでもやれればいいや」とシバタが言っていたりなどすれば、
決定的でしょう。
このように、
最初に集めた素材や設定などから、
「できるだけ面白い展開を考える」ことが、
中盤を面白くするコツです。
手塚治虫が考案した、テヅカチャートという方法論があります。
「ある場面を抽出して、
次にどういう場面が来れば面白いか5つ並べる」
「ある場面を抽出して、
その前がどういう場面だったら、今の場面が面白くなるか考える。5つ並べる」
というものです。
展開の前後を考える訓練になるので、
やってみるといいと思います。
今僕がやっている思考は、
頭とケツを固定して、
やらなければならないこと(スカートをめくり、カゲを追い出すことと、
シバタに幻滅させること)
のふたつを盛り込むことを条件に、
面白いことをテヅカチャート的に、自由に発想しているわけです。
5つ考えて選択してもいいし、
もっと考えてもいいし、
たくさん考えれば考えるほど、
いろんなバージョンができそうだから、
おいしい部分を結合してもいいわけです。
そのとき、序盤でつくった設定を変更したほうが面白いと気づいたら、
それは変えたほうがいいです。
そうすると、ケツが変わってきて、テーマも変わってしまうかもしれません。
どのバージョンが一番面白いか、
が取捨選択の基準になるでしょう。
そして、当然のことながら、
「できている」こと、つまり矛盾がなかったり、
テーマに落ちていたり、感情移入できることなどは、
最低条件です。
それらを全部拾いながら、一番面白いバージョンを練っていくというわけです。
今回は15分なので、
そこまで中盤は厚くならないでしょう。
半分としても7分半なので、
そこまで引っ張れない。
そんなに多くの展開も必要なく、
なんとなく3ブロックもあればいいのではないでしょうか。
そのうちひとつは、事情の説明があり、
ひとつはメインディッシュのスカートめくり大作戦があり、
ひとつはシバタの幻滅があり。
じゃあ、だいたいそろいそうですね。
あとは全体構成をつくって、
全体が15分になるか、俯瞰してみましょう。
次回。
2020年05月05日
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