2020年05月06日

【脚本添削スペシャル2020】9 完成原稿

ということでリライトしてみました。比較してみてください。

リライト版:「化け物退治はスカートの中で」大岡リライト版.pdf

もと原稿:「化け物退治はスカートの中で」KYKY.pdf



デートやセックスのことなどを考えると、
女子大生くらいのほうが都合がいいので、
ミカの年齢を20にあげておきました。
最後アラギとの恋愛を予感させる落ちも、
女子高生だとしんどいような気がしたので。

「どうしてもスカートの中を見る」
「どうしてもスカートの中を見せない」
のバトル(コンフリクト)が主な中盤の面白ポイントです。

タイトルにふさわしい攻防戦を段どってみました。
異世界から来た設定にしておけば、いくらでも適当なガジェットを出せるので、
利用してみました。こうすればご都合でもないでしょう。

カゲが「乗っ取る」というのは、
あまりサスペンスとして効いてない気がしたので、一切削除。
困ったらやってみようかと思ったけど、なくても話がどんどん進んでいるので、
なんとかなった、程度ですが。

カゲが悪役というよりは、シバタのほうが悪役になった感じですかね。

主役はどちらかといえばミカですからね。
アラギとダブル主人公にうまくなっていることにも注目。
感情移入はどちらにも行われるし、
事件を解決するのは双方の協力なので、
どっちが主人公とも言えないでしょう。



元原稿から見ると、大幅な改稿がなされているといえます。
原型をとどめていないと考える向きもあれば、
ぜんぜん面白くなった、と考える向きもあるでしょう。

しかし少なくとも、
初見で「化け物退治はスカートの中で」というタイトルのコメディとして、
どちらが満足感が高いか、というと、
リライト版だと思います。
つまり、元原稿には欠けていた、もろもろのものを足して、
大改造することが必要だったと、僕には感じられます。

もちろん、他の見方をしたり、他のリライトをする人もいるでしょう。
とりあえず、僕の筆はこう入った、という感じです。
なぜ、どうしてこうしたかについては、
議論してきた通りです。


ストーリーというのは、生命の進化した樹形図に似ています。
最初の枝分かれが違うと、
まったく異なる完成形に進化してしまうイメージ。

最初に分析したところがまったく違っていれば、
まったく違った最終形になるかもしれません。
たとえばアラギを未来人にしたら、話はまた変わったことでしょう。

カオス理論のように、ストーリー作成には初期値敏感性があると考えることができます。
最初にアイデアをいろんな方向から出すことは、
これらの初期値でストーリーが全然変わったことになってしまうからこそ、
いろんな最終形をあらかじめ考えておこうということにほかなりません。

最初に色々妄想したことの中に正解があったかどうかは誰にも分りません。
しかし別のことを思ったら、こうして完成していなかったかもしれません。


様々な解説を、次回します。
posted by おおおかとしひこ at 08:10| Comment(2) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
リライト版、楽しみにしておりました。
更新ありがとうございます。

とてもテンポよく、冒頭の「バーバリアン」、うっすら髭の生えた女性で想像して笑ってしまいました。
また、シバタがいい感じにクズっぽくて安心します。

前、前解説から作品の方向性を読みながら、ドキドキわくわくしておりました。
その後の解説も楽しみにしております。勉強させていただきます。
Posted by 原田純愛 at 2020年05月07日 09:38
>原田純愛さん

いまどき女子大生でそんな人がいるかどうかはリアリティがアレなんですが、
コメディは大袈裟にしても怒られないので利用しました。
そういう意味で、コメディは現実を歪曲化しやすい、
変形しやすい、リアリティの制約を受けない(ファンタジー以上に?)、
すぐれたジャンルだとも思えます。
悪役もどんどん悪くしていいのが、楽といえば楽ですね。
(そのネタを探してくるのは、もちろん普段の観察以外の何物でもない)
Posted by おおおかとしひこ at 2020年05月07日 10:09
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