奇しくも、二人から似たような設計思想のローマ字配列が発表された。
ぼっちラボさんのSERIO4MOD。
https://mobile.twitter.com/bottilabo/status/1259011451299086336
めんめんつさんの(名称未定)。
https://menmentsu.hateblo.jp/entry/2020/05/10/000616
子音母音の左右分離から左右混在へ、
左右交互打鍵から、片手連打(アルペジオを含む)の、
連接重視へ舵をきったもの。
qwertyローマ字の批判からはじまって、
それでもなぜqwertyで速い人がいるのか、
という、
qwertyの問題点と利得の腑分けによって、
打鍵理論は進展してきたように思う。
まずは以下のような不満や批判があったはずだ。
・使用最頻度12%のAはなぜ小指にする
・頻度順に強い指にするべき
・TY遠い、Bもーも
・ホームポジションに指がいない
・中段がメイン段では?
・促音面倒(同鍵連打は一番遅い)
・nnの混乱
・左手の酷いいじめ(わざわざなど)
・初心者に覚えづらいランダム性の高い配置
・左手→右手のほうが、右手→左手より速い
・AI、OU、EIの二重母音連接を意識したい
・英語に縛られなくていいのでは
・標準運指で使えるのが標準運指だろうよ
これらを解消するために、
左右分離行段系ローマ字がたくさん作られた。
・左手に子音、右手に母音と整理し、左右交互重視
・二重母音はアルペジオで
・濁音と清音は関連させる
・促音、撥音キーを新設、ナ行は独立
・長音も近くへ
・中段をメインに、使用頻度に応じた指配置
・同時打鍵などを使ったほうがモーラを扱いやすい
・英語は一旦忘れて、日本語ローマ字を一から設計
という設計思想が中心だろう。
オプションに、
・撥音拡張、二重母音拡張、外来音拡張
などがあった。
しかし便利な配列ではあるものの、
速度的には依然qwertyが凌駕していて、
「qwertyにもいいところがあるのでは?」
と分析が進んだ。
・同時打鍵よりも順次打鍵Nキーロールオーバーが最速
・左右に母音がばらけていることで最適化が進むのでは
・長く続く左右交互は順番ミスが多発する
・左右交互より片手アルペジオの方が速い
・日本語には特有のカナ連接があり、1文字単位頻度よりも、
流れを重視するべきだ、つまり3キーからNキーの連接重視
・すなわち、50音の規則性よりも、連接の規則性では?
・中段が正義だろうか? 中指薬指は上段の方が打ちやすいのでは?
・弱い薬指小指といえども、積極的に使うべきか
・英語も配慮したい
・qwerty前提のショートカットも使いたい(とくにZXCVは打ちにくい左手下段だし)
などが、
新世代のローマ字に取り入れられるべきだ、
という考え方になってきたのだろう。
元々、英語日本語共通の配列としては、
Dvorak配列をローマ字に使うものが嚆矢ではあるが、
・日本語でよく使い英語では使わないK、Yが微妙
・左手母音がそれでいいのか?
・qwerty前提のショートカットが使いづらい
などの欠点があり、
これらをも統合しようというのが、
最近のトレンドかもしれない。
これらの歴史を俯瞰すれば、
今後のローマ字がどのように発展するか興味深い。
なんだろ、F1の発展史のようだねえ。
2020年05月10日
この記事へのコメント
コメントを書く