2020年05月13日

ああでもない、こうでもない

中盤の骨を考えるコツは、
メインプロットをどう料理するか考えることだ。


問題が起こった、即解決ではストーリーにならない。
ああでもない、こうでもない、
という紆余曲折が、話を面白くする。
ちなみに、問題が見えたときに、
すぐ解決法が見えてしまうのは論外だ。
ああでもない、をやる前に、
それをやってしまえば解決してしまうではないか、
などと論破されてしまったら、
ストーリーもくそもない。
なので、問題とは、
「まだ解かれていない問題」が望ましく、
「しかもああでもないこうでもないとやったら、
見事に解決する問題」である必要がある。
意外とこれを設定することは難しく、
この難易度設定こそが、
一幕を書くことのむずかしさの一因だろう。

「この問題を解決するには、
一見こうすればいいのでは?」が見えて、
「やってみたが、違った。
問題とは、実はこうだったのだ」までが、
「ああでもない」というステップだろう。
もう一段同じことをやれば、
「こうでもない」になるだろう。
「実はこうだったのだ」がターニングポイントになり、
次へ話が進むわけだ。

問題や解決を予測させないことは、
なかなかに難しい。
一般に解決策がないものを設定すると、
その解を自分で探さないといけない。
(例 どうやったらモテるのか?)
そうではなく、
「その文脈での解決策」を設定するのがちょうどよい。
(例 その子を口説くには?)

ということは、設定を自由に決められるということだ。

あとは、複雑な設定を組むか、
あとづけでもよいので新しい情報を出していくと、
状況を変えられて、
解決へ近づく条件をコントロールすることができるというわけ。

あるいは、一筋縄ではいかないように問題を組む。
一人が解決すればいいのではなく、
複数の問題の複合にしておくとよい。
あっちが立たねばこっちが立たずにしておくと、
シーソーをつくりやすい。

ああでもない、こうでもない、
というストーリーの変転は、
こうして色々な展開を発生させられる。
困った末に、
突発的な展開を考えることはよくあるが、
あとでそれが自然になるように、
一幕で設定を小出しにしていくと、納得がしやすいだろう。
(リライトのときによくやる)

ああでもない、こうでもない、
がうまくなると、中盤を上手に伸ばしていくことができる。
何段階ものテトリス(やぷよぷよ)の連鎖を組んでいくような感覚だ。
posted by おおおかとしひこ at 00:02| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。