2020年05月14日

演説で人は変わらない2

じゃあ、ある登場人物が、
ある登場人物の態度や考え方を変えたいときは、
どうすればいい?


交渉だ。

勿論、感動させたり、笑わせたりすることで、
すぐに考え方を変えるキャラもいるかも知れないが、
それは副次的な一押しにすぎない。

その登場人物の利益になるようなことを、
交渉するのだ。

だから、登場人物には目的が必要なのである。

目的のない登場人物には交渉できないからだ。


お前はAが欲しいんだろう?
俺はBが欲しい。
二人で組んでXをやれば、
お互い欲しいものが手に入るぞ。
どうだ、組まないか?
(味方の場合)

俺がBを手に入れられれば、
お前はAを手に入れられないのさ!
(敵、コンフリクトの場合)

基本はこれしかないのだ。

あとは、条件が複雑になるだけである。

・感情によって判断に揺れが生じる
・ある部分は目的にプラスだが、ある部分はマイナスになってしまう
・二者間の力学だけでなく、三者間、四者間でのやり取りがある
・あることは伏せられていて、それを使って有利に進める
・だれも知らないが、本当は○○だったのだ

などを利用すれば、
単純な綱引きをバラエティに富ませることが出来るだろう。

それらを創作しやすいような、
おもしろい状況、
複雑な条件の、
バランスを作ることが、
実は創作なのだ。



人は演説如きで動かない。
利益で動き、状況はその結果変化する。
posted by おおおかとしひこ at 23:53| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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