各配列の記憶負担を計算してみる。
単純に「文字(アルファベットまたはカナ)をいくつ覚えればいいか」
で測ることにした。
清音、濁音、半濁音、小書き、拗音、外来音、
句読点、長音、促音を、
それぞれ1とする。
他の記号は無視する。
同置の場合は0と数え、清音分をカウント。
シフト数は別に数えるとする。
【各配列の記憶負担ランキング】
14 フリック:シフト5(滑らせる方向)
20 phoenixかな配列
24 カタナ式:シフト3(濁音、m、w)
27 qwertyローマ字
27 かわせみ配列(行段系として)
---カナ配列の壁---
50 薙刀式:シフト14(センターシフト、濁音2、半濁音外来音2、小書き1、拗音3、外来音5)
52 JISカナ:シフト1(小書き)
53 かわせみ配列:シフト11(撥音拡張5、小書き、外来音5)
60 月:シフト2(DK)
62 新JIS:シフト1(センターシフト)
64 親指シフト:シフト2(左親指、右親指)
64 TRON:シフト2(左親指、右親指)
67 蜂蜜小梅:シフト10(左親指、右親指、マトリックス5+3)
75 いろは坂:シフト2(前置、後置)
84 飛鳥:シフト2(左親指、右親指)
102 下駄:シフト16(DK、濁音2、拗音外来音9、ゃゅょ3)
119 新下駄:シフト6(DK、SL、IO)
フリックは11の子音段と、゛゜小を3キーに数えた。
phoenixは行段系で二段配列なのが強い。
カタナ式が意外と健闘。
薙刀式は、「覚えるカナの数」だけでいうと、
カナ配列最小記憶負担の候補だ。
しかしシフト方式が複雑であることは併記すべきだろう。
かわせみはマイナー部分も数え上げたが、
それを除けば薙刀式より軽くなる。
月から蜂蜜小梅あたりが団子になっているのは、この表を作って初めて知った。
蜂蜜小梅の蜂蜜マトリックスをどう数えるかだが、
5×3の15シフトと数えるよりは、
5シフトと3シフトを足して8シフト相当と見積もった。
いろは坂は、濁音別置の飛鳥よりは記憶負担が少ない。
下駄は、ゃゅょに規則性がある部分は、行を1と数えた。
蜂蜜マトリックス同様、ゃゅょを3シフト扱いしている。
新下駄は、拗音を全て数え上げたためここまで増えた。
ゃゅょに下駄配列のような規則性があるわけではないので、
この数とした。
(濁拗音同置分は0カウント)
シフトを増やして記憶負担を減らすシステム、
シフトは単純にして運用をシンプルにするシステム、
それぞれの設計思想が垣間見えておもしろい。
何かの配列をマスターしようとする人の参考資料に、
あるいは、
何かの配列を使っている人から見て、
他の配列はどういう感じなのか想像する用の資料として、
お使いください。
たとえば、
薙刀式の50負担14シフトから見ると、
飛鳥の84負担2シフトは、
シフトがすごく単純で、ちょっと負担を増やせばいけるから、
意外とマスター出来るかも、
などと思ってしまう…
薙刀式より手が忙しくないだろうし…ゴクリ。
あるいは、いろは坂は配列図を見ると広大さにびびるが、
記憶負担だけなら飛鳥より少なく、
しかも2シフトというシンプルで頑強な配列だということがわかったり。
あるいは、月配列は新JISより優秀なのかしら、などと妄想したり。
もっとも、本当の脳への負担がこの数字に比例しているわけではない。
マスターのための負荷くらいに考えるといいかも。
2020年05月14日
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