僕が格子配列を推すのは、
思ったほどコラムスタッガードが良くなかったからだ。
単打で押すならいいと思う。
指の長さや位置に応じたタテズレは、
一見合理に思える。
長い中指は奥にずれ、
短い小指は手前にずれているから、
ポンと押す程度なら押しやすい。
しかし現実では、連接がある。
アルペジオや片手三連四連を打つ時に、
意外とやりにくかった。
(慣れの問題はあるかも知れない。
実際コラムスタッガードでバリバリに速く打っているのは、
リアルでも動画でも見たことがない)
たとえば。
JI: Iが遠くなる。
JO: 同様、Oが遠くなる。
HI、HO: 同様。
長い指であるはずの中指薬指が、
上段に届きづらくなる。
IOがUと同等に遠くなるわけなので、
IOを利用したアルペジオが遅くなる傾向にある。
LP: Pが近くなる。
しかしそもそも打ちづらいPへ繋げるような配列はないので、
このメリットは生きない。
L/: /が遠くなる。
あまりないだろうが、/Iや/Uなども遠くなる。
J,: 同様に,が近くなる。
しかし元々遠いキーを(以下同じ)
J/: /が遠くなる。
中段だけの関係性なら行けそうだけど、
段が異なる連接は、急にやりづらくなるわけだ。
基本、格子配列を基準とした時に、
遠くなったキーへの連接はしづらく、
近くなったキーへの連接はしやすくなる。
これ前提の配列ならいいが、
そのように設計されていないから、
連接しづらさだけが印象に残るのかも知れない。
qwertyも試打してみたが、
、。が特に近くなった感覚はなく
(中指薬指を下段へ動かす距離は同じ)、
IOは遠くなった印象があった。
中段だけの関係性なら行けそうだけど、
段が異なる片手連接は、急にやりづらくなる感覚。
あとHやNに人差し指を動かすと、
中指も内側に動いてしまうが、
復帰した時にずれを感じることがあった。
これは慣れれば解消するかもだが、
ホームキーから離れての空間認識が、難しいと感じた。
「打ってはホームに戻す」
ような、初心者的なゆっくりの打鍵ならば楽かも知れないが、
実戦での文章書きは、
「ホームに戻さずに次へ運指する」ことのほうが多いと思うので、
そんな時に指が迷子になりやすかった。
これも慣れかも知れない。
もっとも、
1U近くずれている極端なコラムスタッガードで思ったこと。
中指を1/2Uくらいしかずらさないとかなら、
さほど影響は感じないかもだ。
だったらコラムスタッガードにしなくてもいいのでは?
と思い、
配列が幾何学的な格子配列のほうが、
指で合わせていけるなあ、
と思って、
僕は格子配列派なのだ。
とはいえ窮屈なので、
「各キーの高さや角度を変えることで指に対応」
の可能性を今は探っている。
あとテンキーなど幾何学的なキーマップを乗せても、
ズレが大きくて認識しきれず、
咄嗟に打てないという現象もあった。
JKに()を置く場合、
JKが対称ではなくなるので、あんまり良くなかった。
対称系のものは左右の手で対称にしないとしんどいかも。
これまでの配列での、
「近いキーと遠いキー」が異なるため、
これまでの配列をそのまま持ってきても不具合が多いと思われる。
指が縦に縛られる感覚の方が強いので、
横や斜めの連接が難しくなる感じ。
同じことは、
TRONキーボードを触った時にも思った。
指が放射状に広がるように物理配置されているのは、
なかなか便利だと思ったが、
指の縦方向はいいけれど、
横や斜めの連接の感覚が非常に難しいと感じた。
左右交互重視ならわかるけど、
片手連接は厳しそうだなあと思った。
あの物理前提のTRONカナ配列はちょっと興味が湧いたけど、
TRONキーボードと言えども、
親指は横に打つのかよとがっかりして、
それから触ってないなあ…
(現在試行錯誤中の斜め親指2が出来たら、
平面PCBでも打ちやすいから、
触りやすくなるかも)
逆にいうと、
アルペジオや片手でじゃらりと打つような、
高速の連接や、
最適化運指などは、
ロウスタッガードや格子配列でこそ、
生きるのかも知れない。
指単独の縦方向の運動だけでなく、
指同士の横の連携を使っているからね。
コラムスタッガードでタイパー並に打つ人が出てきてないのは、
速度は捨てて楽を選んだ人ばかりではないかなあ。
巡航速度1200とかで打ってないのではないか。
19ピッチだから指の広げ方がしんどいだけで、
16ピッチになればまた感覚は変わるかも知れない。
研究が待たれる。
2020年05月17日
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