安物キーボード。
僕はこれだと思う。
すべての人が文筆家になるわけではない。
だがビジネスはする。
ほとんどのビジネスマンは会社でキーボードを打つ。
会社はコストを下げる。
「ほんとうに、日本語を、効率よく入力して、
使用者の負担を下げる」
ならば、親指シフトキーボードはとてもよい。
ただし3万する。
そこらへんの安物キーボードは、1000円くらい?
100人、1000人に支給するのはどっち?
3万と答える企業に僕は入りたかったなあ。
だから、
「ほんとうにいいキーボード」
「ほんとうに疲れず速い日本語入力」
を、皆知らないまま育ってしまった。
qwertyローマ字の何がわるいの?
という人は、親指シフトキーボードでの、
効率よく楽な入力を知らないからだ。
リアルフォース?HHKB?
それでようやくキーボード的に対等だ。
企業はそれを支給しなかった。
もしみんなが3万のキーボードを支給されていたら、
「qwertyよりいい入力法があるぞ」
と噂が広まったろう。
しかし、安物キーボードとqwertyしか知らない人は、
「もっといい世界がある」ことを知ることを断たれた。
それが、親指シフトの第一の死だった。
親指シフトの第二の死は、セキュリティ問題だろう。
会社のPCに私物の機器を接続することを、
何も知らないセキュリティ委員会が盲目的に禁止したため、
物理キーボードの持ち込み、
キー配列エミュレータ持ち込み勢が、
軒並み死んだ。
こうして、会社では、
支給安物キーボード+デファクトスタンダードqwertyという、
二重苦を強いられた。
IT革命の失敗である。
IT革命には、母国語を上手に扱うことが必要だったのだ。
日本語をqwertyのような枷をはめたまま、
効率よく表現できるはずがない。
IT革命に成功したのは、
26文字で母国語がタイピング可能だった国だと僕は思っている。
楽さが全然ちがうもの。
江戸時代に必要だった庶民の教養は、
読み書き算盤だ。
その基礎、「書き」に、
日本のデジタル化は失敗した。
親指シフトという、高い筆だが正解のひとつがそこにあったというのに。
僕はWindws95の黒船が来た頃の、
富士通の対応はよく知らない。
その時に親指シフトキーボードを出し続け、
アップデートし続けなかった理由が分からない。
読み書きは儲けでなく投資である。
その投資を、打ち切ったメーカーになったのだろう。
有志は、
専用キーボードを買い占めたり、
エミュレータソフトを入れたり、
キー変換アダプタ「かえうち」を利用したり、
自作キーボードによる親指シフトを、
すでに始めている。
儲からないから親指シフトを捨てます、
というメーカーなど信じるべきではない。
親指シフトの死は、
「筆は自分でなんとかするものであり、
支給を待つものではない」
時代になったことを、意味していると僕は思う。
最善は、自作キーボードをはじめることだ。
ポメラには親指シフトモデルがあるが、
キータッチの感触まで再現できていない。
自作キーボードなら自分で作ればいいだけだ。
35g、板バネ、高い親指キー。
キーマップのプログラミング。(コルネ用ならすでにeswaiさんが組んでいる)
レシピはない。自分で作るだけだ。
親指シフトを妨げたもの。
それは、圧倒的な無知である。
どこかで、デジタル筆屋さんも生まれるだろう。
それまでは、自分でデジタル筆を作る時代が続くと思う。
支給キーボード?捨てちまえ。
プロのレーサーが、ママチャリでサーキットに出るのか?
ALPS軸は伝説にしか聞いてなくて、
触ったことないんですよ。
自キイベントでもしかして触ったかも知れないけど、
「これがそれかあ」という感触の記憶が…
(チェリー青軸?子供のおもちゃでしょ?)
それよりもガスケットマウント+スイッチフィルム入りCreamルブ済み、
みたいな高級感のある自キの記憶の方が上だったり。
自作キーボードは逆に「いくらかけてもいいから最高のを作るぞ」
という気概に溢れていて大好きです。
道具を作る企業は、
利潤追求と文化の底支えのバランスを、どう取るべきか態度で示すべきで、
その意味ではいまの富士通はクソ会社です。
親指シフト部門だけで独立すればいいのに。
最高と評価してる人が今なおいるのはALPS軸の話でしたが、文章描き直そうしてミスして青軸が最高かのような意味のわからない文章になっていましたね、申し訳ないです
ビームスプリングなど、昔は軸一つにここまで分厚い機構を平気でいれていたというのは今考えると驚きます。
チェリー青軸は自分も子供の玩具のように感じますが、結局安く安定的に作れるというのが一番残るんですねぇ、と。
富士通はリベルタッチ等、Realforceと並べられるようなシリーズも一応つくってるし、キーボードにまた面白いものをつくってほしいですが…
悪貨は良貨を駆逐するのは、しょうがないことかもしれません。
いい悪いが分からない人は、安い方を買い、
安い方が売れてるから安い方を生産する、
という悪循環がありますね。
「いいものを普及させよう」が可能なのは、
小さな規模までかもしれません。
精々ラーメン屋くらいまでかなあ。
いきなりステーキまでいくと駄目なのかも。
それくらいが、いいものを見分けられる人口の限界というか。
リベルタッチも店頭で触ったらかなり良かったけど、
デカすぎた。
機構上、カフェで打てる程度の大きさには出来るはずなのになあ。
そうした「今必要なもの」への対応が、
大企業には出来ず、滅んでいくことになると思います。