2020年05月24日

【自キ】60%、一体型、左ロウスタッガード

の自キを作って喜ぶ人がいる。
勿論何をしても人の自由なんだけど、
「なんで自作するの?キーボード好きなんだね」
と知らない人のように思ってしまう。

僕が自作することの目的は、
スタンダードなキーボードが大嫌いだからなんだな。


もちろん、フルキーボードしか知らない頃は、
60%すげえ!と思った。

テンキーなしがやっぱいいよな、
FJに構えた時に真ん中にくるべきだよな、
真ん中に来るならカーソルキーの島もいらないよな、
なんて思っていた。

そのうち数字段もFn押しながらとかで出来るから、
そんな使わないし、
文字打ち用なら三段と親指あればいいよなと気づく。


自キを始める前は、
hhkbがカバンの中に入っていた。
次はNiZ 75が入ってた。
よく考えると重い。

60%は机の上では小さく感じるが、
カバンに入れると重い。

だからといって市販のコンパクトキーボードは、
パンタグラフで打鍵感はイマイチ。
一生使うレベルではなく、急場しのぎに過ぎない。

40%以下で実用には十分だと思って、
色々な自キを触って、MiniAxeのコンパクトさが気に入った。
最初はLPにしようと思ったんだけど、
キーキャップのバリエーションが少なすぎて、
MXにした。この時まだBlenderやると思ってなかったし。


第一、左ロウスタッガード一体型の物理は、
「最も合理的で、文字を打つのに最適である」
わけがない。
左手のひねりで腱鞘炎になった身としては、恨みさえある。
道具として間違っている。

左右対称が論理的帰結だろう。
左右分割は、結果的に良かった。

分割はセッティングと片付けが面倒(モバイル時)だが、
MiniAxeは端子がUSB microBで統一されてるので、
マグネットケーブル対応なのが幸いした。
TRRSだったらそのうちめんどくせえな、と思ってただろう。

左右分割は合理的だ。
両手のハノ字で構えるべきではない。ひねりが入る。
肩幅に開き、机に対してまっすぐ出すあたりでキーボードを使うのが、
一番楽ができる。
これは肩こりや腱鞘炎に対する経験的知識だ。

沢山書く人は、一体型を使ってはならない、
とすら僕は警告したい。

手書きは両手をハノ字にする。
左手で紙を押さえ、右手で書く。
だからハノ字になってるのが合理的では?
と最初は思った。

違う。
手書きだと、手は色んなところへ行く。
紙の同じところにポジショニングしない。
だから、常に違う姿勢になる。
だから腱鞘炎にならない。

紙をどこに置くか、どういう姿勢で書くかも自由なので、
寝返りが自然に行われる。

ところがキーボードは同じポジションで打たないといけない。
手書きとキーボードを同じ姿勢で論ずるのは間違いだ。

もし手書きが、
字は毎回同じところで書くように、
紙が勝手にスクロールしてくれるのだとしたら、
左右分割キーボードの肩幅ポジションが、
同じくベスポジだと思う。
(視線の問題があるからもう少し違うだろうが)



これらの合理性、便利さを捨てて、
60%、一体型、左ロウスタッガードの自キを、
組み立てる人の気持ちが僕にはわからない。

僕には不合理を楽しむ悪趣味どころか、
手を痛めに来る拷問具に見える。


僕はキーボードが嫌いだ。
手書きで暮らせるなら暮らしたい。

誰もこの理不尽を改良しないから、
自分で手をあげてやっているだけだ。

MiniAxeがなかったら、
何を使っていたかな。もう考えられない。
格子配列が他の何よりも結果的に優れていると分かったのは、
沢山の物理配列を触ったあとだ。

MiniAxeの格子配列がいいなと思ったのは、
美しいと思ったからで、
実は美しいという直感には、
合理が含まれてるかもなあ、などと思った。
スポーツカーの曲線に美しさを感じるように、
合理は美しい。


自キをはじめると、
スイッチやキーキャップが余るから、
それを乗せるための台が欲しくなる。
それが新キーボード組み立ての理由になったりする。(沼)
気持ちはわかるが、
僕はベストの道具以外いらないので、
セカンド自キを必要としない。
キースイッチとキーキャップは山になっているので、
遊舎工房フリマでそのうち処分だと考えている。


みんなキーボード好きなんだね。
僕はそんなに好きじゃない。

そういう意味で僕は道具ガチ勢なのかもなあ。


自分の考えた配列や道具には愛着があるけど、
まだ手書きのボールペンを超えた気がしない。
Bluetoothになればいいのかな。
重量と電池と通信速度の問題はずっと付きまといそうだけど。

人類は、まだベストのキーボードを得ていないと、
僕は思っている。

プログラミングにはこれしか入力手段がないから、
比較がなかなか難しいのかも知れない。

僕の比較対象は常に手書きだ。

電源いらず、水にも経年劣化にも強い。
特に僕は900字/10分の速度(平均の3倍)で、
しかも脳から直接漢直。
字形でニュアンスも残せるし、消しゴムを使わないから、
アンドゥ履歴を全て残すし、
端にメモを書き入れて参照もできる。
床や壁に並べて俯瞰も出来るし、
持ち運びはグラム単位だ。
(100枚束になったらちょっとしんどいが、
それをエディタで俯瞰することはできない)

これを全部キーボードでひっくり返せるとは思っていない。
でもキーボードの利点が他にあると分かるまで、
僕は物理キーボードを改良し続けると思う。
(今のところ、感触が気持ちいい、のと、
デジタル発信との連動性だな)


そもそも日本語にキーボードが向いてない、
という結論だってあり得る。
それがわかるまでやるだけだ。
posted by おおおかとしひこ at 09:28| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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