2020年05月25日

【薙刀式】カナ配列者が言うところの脳内ローマ字変換

ローマ字者はそんなものはないという。
カナ配列者はそれが面倒だという。

最近僕はqwertyローマ字がブラインドタッチ出来る様になってきた
(リモートワークの成果だ。Edge上ではqwertyしか効かない)
ので、このへんの事情がわかってきた。


素早く手軽に打てるようになるには、
ロールオーバーが必要である。

「じゃらっと打つ」「ぐしゃっと打つ」などと言われる。
ひとまとめに打つやり方だ。

「られた」をレイに取ろう。

ローマ字の場合、

rareta

をどうまとめるか。

ra、re、ta

と3ストロークかな。
慣れてる人なら、

ra、reta

と行けるかも知れない。


ストロークの単位は、ロールオーバーだと思う。
つまり、
rを離さずにaを打つ。
「同時押し、ずらし押し」のようだとよく言われる。

rを押して、離して、
aを押して、離す人は、
熟練者にはいないだろう。

rとaを打つのではなく、「ら」というひとまとめを打つ、
とローマ字者は主張する。

同様に、retaは、
rを押してeを押して、どこかで離した人差し指でtを押して、
aを押す。eを離したかどうかは問わない。
(僕はtを押すときにeを離すっぽい)

だから、
raretaは、「じゃら、じゃらら」という感じで打つ。

もっと慣れた人はこれが1シークエンスに縮まっていて、
「ぐしゃっ」ってなるのでしょう。
rが繰り返すから、押しっぱなしで完結はしないだろうが。


さて、カナ入力からこれを見てみよう。

「られた」を薙刀式で打つ。

./N

の3打だ。
これは慣れると3連ロールオーバーだ。
(実際には薬指を離しながらNを取ることが多い)


ここなのだ。

「られた」の3文字を、3連のロールオーバーで取れる。
raretaは、6連のロールオーバーで取れない。

この不快さを、「脳内ローマ字変換の手間」と言っているのだ。

カナ配列なら「n文字をnロールオーバーでいける」ところを、
区切りを入れなきゃいけない面倒さのことを、
「ローマ字の綴りのせいである」
ように言っているのではないか、
と僕は思ったのだ。


もっとも、単打重視の配列(JISカナ、いろは坂)
でない限り、
どこかのマイナーカナはシフトが加わるから、
単純な「n文字をnロールオーバーでいける」
は成立しない。
薙刀式に有利でqwertyに不利なワードを恣意的に選んで説明した、
可能性もある。

しかしカナ配列の中でいけた、
「n文字をnロールオーバーでいける」の言葉が、
ローマ字を使うとそうならないことに不快を感じることは、
変わりないだろう。

逆はあるかな。

ローマ字で行ける、
「n文字をnロールオーバーでいける」言葉が、
カナだとうまくいかないこと。
打数が少ないから、それはあんまりなさそう。
(拗音を2打で打つ系にはありそうだが、
僕は拗音1アクションの薙刀式なので感じたことはない)


勿論、練度によるだろうが、
3カナのロールオーバーと、
6アルファベットのロールオーバーでは、
3カナロールオーバーの方が、
楽に習得できるだろう。

つまり、ローマ字の方が熟練度が必要だと、
僕は思うのだ。


先日、qwertyローマ字における、
kudasaiが打ちづらいことを書いた。
「ください」は基本的な語なので、もっと打ちやすくあるべきだ。
多くのカナ新配列では、
それを上手い運指で打てるようになっているはずだ。
(薙刀式では、H(FN)【U】K)

こうした地味なストレスが、
何故だろうと考えて、
「ローマ字の綴りに応じて、
運指を休めたり加速したりがぎこちなくなる」
という感想を得て、
脳内ローマ字変換という言葉に結実するのだろう。


ていうか、Edgeを使うときはそう思う。

(長文なら、別エディタで薙刀式で書いてコピーするが、
短文だといちいちやるの面倒だからqwerty使うんだよね…)



ローマ字の熟練度ほど、
「脳内ローマ字変換などしていない、じゃらっと打つだけだ」
と言うけれど、
カナ者はそこまでqwertyを極めるつもりはないんだよね。

そこまでしなくても「られた」をじゃらっと打てるんだから、
「なぐられた」「言われた」「そう言われた」
などの5連6連ロールオーバーを出来るようにする手間をかけたほうが、
raretaの6連ロールオーバーの練習より合理的と言うものだ。

で、ローマ字めんどくせえな、
と思うのである。



カナの方が要素が多いから、
連接をたくさん覚えなければならず、
組み合わせ爆発するのではないか?
と思っていたのだが、
よく使う言葉の連接は非常に限られている
(二連接カナの上位700で8割)ため、
経験的には、
ちまちま繋ぎを考えないといけないローマ字の方が、
面倒な感覚がある。


言葉とは、繋がった文字のことである。

ローマ字はたしかに使うキーの数は少ないが、
繋げる手間があるぶん、
「行きは良い良い帰りはこわい」になっていて、
熟練により手間がかかる。


4段系カナ配列は最上段が遠いので、
より連接の腕が必要になるかも知れない。
僕はローマ字の範囲と変わらない薙刀式を使っているので、
連接運指はとても楽。

僕はこれからローマ字の連接を一個一個鍛えていく暇はないし、
理由もないと思う。
posted by おおおかとしひこ at 11:15| Comment(2) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
違います。
少なくとも私が主張し続けてきた「ローマ字入力の脳内コスト」とは、全く異なります。
「か」を[K][A]と分けて入力するから手指が疲れる、という話ではありません。

「ローマ字入力の脳内コスト」は、大きく分けて3パターンあると考えています。

一つ目は撥音「ん」。Nを数えるコストが余計に掛かって脳が疲れます。
・下越 ⇒[か][え][つ]と入力
・加熱⇒[か][んね][つ]とNを脳内で数えながら入力
・関越⇒[か][んん][え][つ]とNを脳内で数えながら入力
・感熱⇒[か][んん][んね][つ]とNを脳内で数えながら入力
撥音「ん」の専用入力キーが用意された行段系では、このコストが発生しません。

二つ目は促音「っ」等の先読みコストが余計に掛かって脳が疲れます。
・一気⇒[IXTUKI]ではなく[IKKI]と先読みが必要
・ディスク⇒[DEXISUKU]ではなく[DHISUKU]と先読みが必要
促音「っ」の専用入力キーが用意された行段系では、このコストが軽減できます。

三つ目は外来語の置換コストが余計に掛かって脳が疲れます。
・システムは「しすてむ」または"system"と記憶しているので、[SISUTEMU]に置き換えが必要
行段系を使う限り、このコストは避けられません。

「かな入力に適応した脳」と「行段系入力に適応した脳」は、回路が全く違っているように思えます。
Posted by 141F at 2020年05月25日 23:21
141Fさんコメントありがとうございます。

撥音とな行、促音に関してはそれがあるカタナ式を使ってたので、
完全に忘れてました。
英語綴りとの混乱は、
英語用配列(qwertyのまま)と日本語用行段を使い分けたら、混乱がなかったです。IMEのオンオフの切り替えで、棲み分けができたのでしょう。
共用配列だと混乱するのかしら。

ぼくの経験からはその3つが完全に抜け落ちていて、
脳内ローマ字変換といえば母音子音だけに集約してましたね。
議論の狭さを反省します。
Posted by おおおかとしひこ at 2020年05月26日 09:03
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