JISキーボードの機能部分はとても使いにくい。
一番腹が立つのは、英字キーボードに忖度して、
機能キーをすべて端っこを使っていることだ。
日本語入力においては、機能キーが文字キーより優先することが多く、
qwerty数字段スペースに手をつけず、
端ばかりをよく使わされることが、設計ミスだろう。
では日本人による日本人のためのTRONキーボードならどうなってたのだろう?
画像が手に入ったので検証してみる。
TRONキーボードを特徴づけるのは、
「指を広げた方向にコラムが存在する」放射状部と、
「親指の付け根を中心とした放射状配置」だろう。
ハノ字、テントしていて手の自然な置き方に配慮していること、
それに合わせた曲面のパームレストがついていて、
姿勢がとても気持ちいいことについては以前触ったときに感じた。
キーピッチも日本人に合わせた17で、非常に良い。
(キーピッチ違いでSMLの予定だったそう)
今回は機能部分をじっくり見ていこう。
特に注目するところは、親指部である。
左右4キーずつ8キーは、
自作キーボードClaw44を思い起こさせる。
左から順に、
空白、左シフト、逆変換、英字、かな、変換、右シフト、一字消
とある。
ホームポジションFJ(て、い)から察するに、
親指のスイートスポットは左シフトと右シフトだろう。
TRONかな配列は親指シフト系列である。
同手同時シフトでシフト側の文字が出て、
異手同時シフトで濁音化する。
(単打側とシフト側には濁音になるカナが被っていないので、
濁音化はそのどちらかを一意に濁音化する)
同時逐次(親指シフトと同じ)なのか、
同時連続(飛鳥配列と同じ)なのかは不明。
後者だと使いやすいかもね。
だから、カナ入力に一番使うキーを、
親指のスイートスポットに置いている。
注目はその内側だ。
逆変換と変換がペアになっている。
おそらく変換で変換、次候補、次候補…と送り、
逆変換で前候補を選べたのだろう。
確定はなく、次の文字を打つことで自動確定だったと推測する。
連文節変換は無理だった時代だから、
文節選択や伸長の機能は想定されていない。
(しかしカーソルが近いため、JISキーボードより楽だろう)
実に合理的な動線だ。
また、その内側に英数かなと、Macと同じ並びになっていて、
IMEオンオフが非常に合理的だ。
親指の一番外は、空白とBS。
英字にも対応している合理性がある。
思わずこの8キーに感動してしまうくらい、
動線がしっかりしてるではないか。
補完入力や連文節変換など、
TRON以後に生まれた常識的技術への対応も、
これくらい動線が整理されていれば楽だったろうに。
Tabと改行がGH内側なのも、よくわかってらっしゃる。
その上の○×はよく分からないが、
対話的コマンドのはいいいえに相当するのかしら。
小指外の3キー、拡張、命令、補助はよく分からないが、
補助的なことが出来るキーだろう。
面白いのは左右対称にあることで、
モデファイアのような使い方だったのかも。
このキーボードがあれば、
JISキーボードで非常に不合理な機能キーの動線を、
ものすごく整理されることが容易に想像できる。
これを正式採用しなかった日本の政府は、
ばかばかりだぜ。
一生使いにくいキーボードでぽちぽち打ってやがれ。
一方自作キーボードの民は、
簡単にこの部分を真似できる。
実際には、CtlとAltとレイヤーキーが欲しくなるね。
そのへんは練ることができるだろう。
2020年05月25日
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