ってどれくらい?
ミリ単位だと思ってる人は、人間の能力を低く見積もっている。
0.1ミリかそれ以下はある。
紙の束をまとめる仕事の人は、
1枚違うだけで違和感を感じるという。
紙一枚は、ものによるけど80μm。
つまり0.08mm。
今でもやるのかは知らないが、
銀行の札束数える人は凄かったよね。
あれもペラペラめくって数えるのではなく、
「持ったかんじ」で分かるらしい。
重さもあるかもだ。
自分の例でいうと、絵描き出身なので、
「1ミリの間に引ける線は何本か」
というのをよく競うことがある。
普段使ってるペンと紙なら、4本は余裕。
5以上は丸ペンとか特別な道具がいるかも。
少なくとも1ミリを8等分はしている。
で、何が言いたいかというと、
キーキャップについてだ。
薙刀式キーキャップを新しく設計しようとして、
何回テストしたかもう覚えてない。
今詰めているところは、
0.5mm単位の違いの部分だ。
その差だけで、触っていて心地よい、よくないが全然違う。
木材だと手で触りながら削っていけるからすぐ出来そうだが、
3D設計はそうはいかない。
数字でなんでも確定しないといけない。
触れるのはそのあとでしかない。
テストの行ってこいに一週間かかる。なかなかフィードバック出来ない…
まあその分量産できるから、
触りたい人には届けられるし、自分が使うのも予備が作れるわけで。
で、0.5mm違いではだめで、
もっと精度を細かく考えるべきかどうかで、悩んでいる。
すると開発時間がさらにかかり…
という最近の精細グラフィックに時間がかかるゲームのようになっている…
ためしに、高さの違うキーキャップを、
FJだけつけてみるとわかる。
(キーキャップのステム穴に、紙を畳んで詰めると、
簡単にジャッキアップできるよ。引き出すのはピンセットが必要)
0.5mm違うだけでものすごい違和感が出るよ。
まるでキーボード面が傾いているかのような感覚になる。
1ミリに満たないものの影響で。
キーキャップセットによくある、
「FJだけ凹んでいるホーミングキー」が僕はすごい嫌いで、
感覚変わるやんけ、と思っている。
60%キーボードの無刻印くらいだとホームを見失うことがあるけど、
40%以下でそれはないので、他と同じキーがいいよね。
ポッチも邪魔なのでいらない。
こんなことは、
自分のキーボードにこだわり始めて出てきた感覚かも知れない。
効きキースイッチも、
自分の知ってるやつなら当てられる自信はある。
人の指の精度は、1mmより細かい違和感を拾う。
それに触れ続ける道具は、
本来すごく繊細な造形であるべきだと思う。
ちまたの安物キーボードは、ざりざりの鮫肌みたいだ。
2020年05月26日
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