2020年05月26日

【薙刀式】人の指の精度

ってどれくらい?
ミリ単位だと思ってる人は、人間の能力を低く見積もっている。
0.1ミリかそれ以下はある。




紙の束をまとめる仕事の人は、
1枚違うだけで違和感を感じるという。

紙一枚は、ものによるけど80μm。
つまり0.08mm。

今でもやるのかは知らないが、
銀行の札束数える人は凄かったよね。

あれもペラペラめくって数えるのではなく、
「持ったかんじ」で分かるらしい。
重さもあるかもだ。


自分の例でいうと、絵描き出身なので、
「1ミリの間に引ける線は何本か」
というのをよく競うことがある。
普段使ってるペンと紙なら、4本は余裕。
5以上は丸ペンとか特別な道具がいるかも。

少なくとも1ミリを8等分はしている。


で、何が言いたいかというと、
キーキャップについてだ。

薙刀式キーキャップを新しく設計しようとして、
何回テストしたかもう覚えてない。
今詰めているところは、
0.5mm単位の違いの部分だ。

その差だけで、触っていて心地よい、よくないが全然違う。

木材だと手で触りながら削っていけるからすぐ出来そうだが、
3D設計はそうはいかない。
数字でなんでも確定しないといけない。
触れるのはそのあとでしかない。
テストの行ってこいに一週間かかる。なかなかフィードバック出来ない…

まあその分量産できるから、
触りたい人には届けられるし、自分が使うのも予備が作れるわけで。


で、0.5mm違いではだめで、
もっと精度を細かく考えるべきかどうかで、悩んでいる。
すると開発時間がさらにかかり…
という最近の精細グラフィックに時間がかかるゲームのようになっている…


ためしに、高さの違うキーキャップを、
FJだけつけてみるとわかる。
(キーキャップのステム穴に、紙を畳んで詰めると、
簡単にジャッキアップできるよ。引き出すのはピンセットが必要)
0.5mm違うだけでものすごい違和感が出るよ。
まるでキーボード面が傾いているかのような感覚になる。
1ミリに満たないものの影響で。

キーキャップセットによくある、
「FJだけ凹んでいるホーミングキー」が僕はすごい嫌いで、
感覚変わるやんけ、と思っている。
60%キーボードの無刻印くらいだとホームを見失うことがあるけど、
40%以下でそれはないので、他と同じキーがいいよね。
ポッチも邪魔なのでいらない。


こんなことは、
自分のキーボードにこだわり始めて出てきた感覚かも知れない。
効きキースイッチも、
自分の知ってるやつなら当てられる自信はある。


人の指の精度は、1mmより細かい違和感を拾う。

それに触れ続ける道具は、
本来すごく繊細な造形であるべきだと思う。

ちまたの安物キーボードは、ざりざりの鮫肌みたいだ。
posted by おおおかとしひこ at 14:55| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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