フランスで、ロックダウン中の街路を勝手に使った、
バイクレースが流行っているそう。
ラテンの血だろうか、フランス人って意外と凶暴だよね。
僕が面白いと思ったのは、
そのレースの隠語が「ロデオ」というところ。
じゃじゃ馬を乗りこなす感じのニュアンスだ。
レース用に整備されていない路面に、
激しく脚を取られることもあるだろう。
ロックダウン中の違法レースという、
ギリギリのスリルがたまらんね。
「いつもギリギリでいたいから嗚呼」
なんて歌ってたグループのギリギリさとは全く違う、
まじもんの命がけなのがいい。
それを「ロデオ」のニュアンス一言で表す言葉のセンスに、
僕は感心してしまったのだ。
こんなに本質をずばりと短く表現した語は、
めったに出てこない。
以前「パシフィックリム」での、
二人で操縦するために精神を融合させることを、
パイロットたちが俗語で「ドリフト」と呼んでる、
という造語感覚に感心したが、
それ以来かも知れない。
その言葉を発明する前は、
存在はするのだろうけれど、
モヤモヤして捕らえきれなかった概念は、
言葉をもった瞬間に、
他から切り離されてエッジが立つものである。
音節は短い方がいい。
フェレンゲルシュターゲン現象とかじゃピンとこないわけだ。
(この現象自体はネタだけど)
この音節の短さを測るにはコツがあって、
他の○文字の言葉を沢山集めてみるとよい。
ロデオなら、ことば、あした、おまえ、ちんこ、
くらいのメジャーで根本的な言葉だということがわかる。
フェレンゲルだと17文字なので、
俳句なみのレア度だってことだ。
(パッと出てこないが、ノイシュヴァンシュタイン城より多い)
造語は発明だ。
その行動レースの主宰が逮捕されても、
どこかで行われる違法の公道バイクレースは、
ロデオと呼ばれることだろう。
2020年05月26日
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