2020年05月26日

ロデオ

フランスで、ロックダウン中の街路を勝手に使った、
バイクレースが流行っているそう。
ラテンの血だろうか、フランス人って意外と凶暴だよね。

僕が面白いと思ったのは、
そのレースの隠語が「ロデオ」というところ。


じゃじゃ馬を乗りこなす感じのニュアンスだ。
レース用に整備されていない路面に、
激しく脚を取られることもあるだろう。
ロックダウン中の違法レースという、
ギリギリのスリルがたまらんね。

「いつもギリギリでいたいから嗚呼」
なんて歌ってたグループのギリギリさとは全く違う、
まじもんの命がけなのがいい。

それを「ロデオ」のニュアンス一言で表す言葉のセンスに、
僕は感心してしまったのだ。

こんなに本質をずばりと短く表現した語は、
めったに出てこない。

以前「パシフィックリム」での、
二人で操縦するために精神を融合させることを、
パイロットたちが俗語で「ドリフト」と呼んでる、
という造語感覚に感心したが、
それ以来かも知れない。


その言葉を発明する前は、
存在はするのだろうけれど、
モヤモヤして捕らえきれなかった概念は、
言葉をもった瞬間に、
他から切り離されてエッジが立つものである。



音節は短い方がいい。
フェレンゲルシュターゲン現象とかじゃピンとこないわけだ。
(この現象自体はネタだけど)

この音節の短さを測るにはコツがあって、
他の○文字の言葉を沢山集めてみるとよい。

ロデオなら、ことば、あした、おまえ、ちんこ、
くらいのメジャーで根本的な言葉だということがわかる。

フェレンゲルだと17文字なので、
俳句なみのレア度だってことだ。
(パッと出てこないが、ノイシュヴァンシュタイン城より多い)


造語は発明だ。
その行動レースの主宰が逮捕されても、
どこかで行われる違法の公道バイクレースは、
ロデオと呼ばれることだろう。
posted by おおおかとしひこ at 15:08| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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