2020年05月31日

【薙刀式】撫で打ちは、小指が無理をしている

パンタグラフなど、ロープロファイルでよく使われる撫で打ち。
僕はどっちかというとそっち派で、
指の第一関節を曲げ、上から突き下ろす伝統的な打ち方ではない。

で、それと格子配列の小指が相性が悪いのでは、
ということに気づいてきた。


今実験中なのは、
TSA(Typewriterlike DSA)というオリジナルプロファイルで、
すべてのキーが等価なものだ。
ただしトップ面スフェリカルえぐれのRを変えていて、
微妙に深さが違う。
各キーの深さ違いなどを探りながら、
「指や段によってベストが違う」
ということを実験しながら探っている。

非常に感覚的な問題なのだが、
この指はこの角度から入るべきだ、とか、
この指はこんな角度からこんな角度まで使われている、
などの発見をするためだ。


で、分かってきたことは、
小指はわりといじめられているということ。

撫で打ち前提で中段に構えた段階で、
すでにだいぶ斜めに接している。
中段が平面一直線だから余計だ。
指の力を出すのは指紋の中央部分だと考えられるが、
そこから大分外に逸れたところが接してしまっている。

(のちのち再調整する予定の3Dキーキャップは、
その差を吸収するために、天面の角度ごと変えようというわけだ。
今やってることはその基礎資料だ)


顕著なのは小指下段で、
そこから小指を縮めると、ほぼ側面がキーの天面に当たる感じになる。
これは左右対称なので、左右小指下段は、
45度より側面寄りの部分で打っているんだなあ、
という発見。

小指が疲れるのも、力の強いスイートスポットではなく、
こうした無茶な打ち方になっているからかもだ。
つまり、小指は本来の強さを発揮できない環境で、
無理やり打たされている。


これが伝統的左ロウスタッガードだと、
右小指下段は右下斜めに縮めるから、
側面よりも指先が当たりやすい。
だから一瞬真ん中が当たっている錯覚になる。
左小指下段が逆に最悪で、
もっと側面を当てることになる。
Zが苦手な理由だろう。

(qwertyローマ字では右小指下段/を使うことはほとんどなく、
?で使う程度か。Jをなるべく使っても、Zの方が/より頻度が高いと推測)


つまり、小指下段は変なところが当たり続けるのだ。

これを昔ながらの突き下ろし型で打つと、
まあまあ安定したところが当たる。
突き下ろし型は、タイプライター型の打鍵法として発達したから、
平らでないキーを打つにはこうしたほうが合理的なのだろう。

シリンドリカルなえぐれは、
とりあえずその角度を吸収するのに役に立つと考えられる。


しかし僕のフォームは撫で打ちでしかなく、
今更突き下ろしに変更できないっぽい。
突き下ろしは指先が点で接するし、
長い文章を楽に打鍵できると思えない。

フォームを矯正するか、
キーキャップを変形させてこのフォームに適したキーキャップの形にするか、
の二択を迫られている感じだ。

で、3Dキーキャップ設計は、後者が目的だと。


突き下ろし打法は力が強くかかる。
撫で打ちはエネルギーをそこまで使わない。
なので、撫で打ちのほうが長距離向けだと考えられる。

TRONキーボードみたいに、
小指の島を離すような配置のほうが、
変に縮めず、いい角度が当たるのかも知れない。


格子配列は、
「人間の指は格子状に動かない」ことを実感できる配列だ。
その差分を取れば、
どう楽になれるかが測定できると思って、
現在すべて同じキーで実験しているわけなのだ。

格子配列でDSAは、
自作キーボードでも人気の作例だ。
かわいいからね。レトロにも出来るし。
しかし実用性はやっぱり薄いんだよなあ…

とはいえ、シリンドリカルステップスカルプチャがいいとも言えない。
探究はつづく。
posted by おおおかとしひこ at 15:54| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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