2020年05月30日

こんなものを見つけたので

円谷プロがつくったナショナル掃除機「隼」のCM。
ギリギリリアルタイムの記憶がある。
https://mobile.twitter.com/shunmura0607/status/1266389753521291264

CMとガワの話をしよう。


結局、ウルトラマンの「ガワ」とは、
巨人と怪獣の、街のセットでのプロレス、
変身シーン、登場シーン、
敵の技、そして必殺技、
子供が呼ぶ、ありがとうと手を振り去ってゆく、
ヒーローっぽい音楽、エフェクト、ガジェット。

これらに集約されてしまうのだな、
という例。

CMは短いからこそ、
ガワを盗み濃縮する。
それがうまいこと出来ている。

ウルトラマンのガワはこれらのもので、
中身は実のところ、
虐げられた者の反逆であることが多い。

CMの場合は、
「ゴミという怪獣を吸い取るのはヒーロー隼」
という中身が決められているから、
ガワだけが際立って目立つわけだね。


中身が全く異なり、
ガワだけがあっても、
所詮はパロディーだ。

仏作って魂入れずとはこのことである。

ガワだけ持ってきても、なんにもならない良い例だ。
昨日の「イーグルアイ」とおなじだね。


また、CMの世界では、
これはパロディーという手法である。
ちまたに有名なものを拾ってきてガワを被せる方法だ。
中身が陳腐化しているときに、
見た目を変えて新鮮味を出す方法。
ということは中身は腐りかけていて、
スパイシーなカレーでごまかすようなものだ。

辛さに慣れたらもっと辛さを要求するようなもので、
パロディーはガワをひらすら消費するという運命にある。
そうして、パクってくるものがなくなるよ、
という悲劇になる。
ネバーエンディングストーリーの「無」みたいな落ちだなあ。


スーツアクターの中になんと若き日の井筒和幸監督が入っているという。
昔から苦労してはったんやなあ。
posted by おおおかとしひこ at 18:38| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。