どっちを面倒と思うのか、人によるのだろうか。
空間方向の手間とは、
4段とか、小指外とか、QPTYなどの打ちづらいキーとか、
左右の手の同期連動(同時打鍵など)、
とする。
時間方向の手間とは、
順次打鍵の手数の多さとする。
同時打鍵によって、この手間を稼げる。
しかし空間方向の手間が増えるわけだ。
何を手間と思うかは、
人によって異なるかも知れない。
僕は同時打鍵の方が順次打鍵より手間を稼げていると思う。
薙刀式は最大3キー同時だけど、
左1右2の法則なので、これは全然苦じゃない。
これに左2右1が混じったら、ダメだったかも知れない。
どうも僕はミラー現象に弱くて、
親指シフトの逆手シフトが苦手だった。
でも下駄配列の逆手の中指シフトと薬指シフトは、
全然苦じゃなかった。
法則はわからない。
4指の範囲の同時打鍵は、ペアになりやすいのかもだ。
同手逆手を使い分ける空間方向の手間は、
僕には負担のようだ。
月配列系の、同手と逆手で面を変えるのも、
いいアイデアだと思うけど、
僕は苦手だなあ。
これは順次打鍵で手間がかかっていることと混ざってるので、
どっちがどっちとも言えないが。
同時打鍵が苦手な人は、
時間方向の手間のほうが、空間方向の手間より、
楽だと思うのだろう。
僕はそうではなく、
なるべく圧縮して送り出したいのかもしれない。
大阪人はイラチの民族性だ。
結果がすぐ出ない手間には比較的厳しい。
そういう文化で育ったことも関係ありそうだ。
(エレベーターがなかなか来ないときに、
ボタンを連打するのは大阪人だけらしい。
時間方向の手間を嫌うんだよな)
僕はそもそも頭の中の言葉が、
手元で蒸発していくのが嫌で、
配列をなんとかしようと思い立った。
だから根本的には、時間方向の手間を圧縮したいんだと思う。
頭の中の文章生成速度に、
手がついてこないことを、
改良しようと思ったわけだ。
喋るのでよければ、オタクの早口になればいい。
略語や造語や隠語を使えばさらに速くなる。
最悪、あの、あれで圧縮できるし。
手書きならば崩し字や続け字を使える。
動画でも示したけど僕の字はとても省略されている。
「。」は「.」だし、「る」は一巻き半の渦巻のようだ。
これは頭の良い人の特徴らしい。
文の生成速度に、手を追い付かせる手段なのだろう。
そういえば京大の某教授は、
中国の簡体字を日本語の中に常用していて、
板書もそうしていた。
その方が画数が少なくて楽で速いのだと言ってた。
(まことに京大は変態揃いだ。ほめてます)
カタナ式をつくったあと、
「蛸式」というローマ字配列を作ったことがある。
中段に子音が並んでいて、
それを打った後に8方向に母音が出現する、
二打系のフリックみたいな配列。
カーブフリックみたいにその後3打で拗音変化出来る様にしたりしていた。
これも、「打ったキーのすぐ隣を打てば早いやろ」
と考えてのことだ。
試作だけしたけど、カナの二連接三連接が速く打てるわけではないので、
カタナ式の方が指の軌道は洗練されてた記憶がある。
僕はだから、時間方向の手間を減らしたいのだろう。
月配列を触ったけどダメだったのは、
同時打鍵を経験したあとでは、
二打がとてつもなく面倒に思えたからだ。
拗音外来音の1モーラを1アクション同時押しで打てる下駄をやったあとでは、
左右交互で速く打てるように設計されている、
飛鳥配列の拗音2打ですら、
とても遅く思えた。
遅いというより手間なのだろう。
脳に手がついていくには、僕には時間方向の圧縮が必要だったのかも。
空間方向の手間では、
4段はやっぱ無理だな。小指外もきらい。
QPTYも嫌で、Z/も嫌だなあ。
そもそも小指と薬指を使うのも嫌だなあ。
出来れば右手人差し指一本にならないかな。笑
カタナ式のローマ字という順次打鍵と天秤にかけて、
小指と薬指を使う薙刀式を使っているのも、
僕は時間方向の手間をより嫌うのだろう。
また、いろは坂はまた別のベクトルだ。
空間方向を範囲で広げたかわりに、時間方向の手間を単打にしたわけだ。
(前置後置という順次打鍵にして、同時打鍵にしなかったのは、
作者の好みや手癖だろうか)
「○○方式がよい」
というとき、その無意識の判断に、
こうした得意不得意とか、好みの判断が含まれていることがある。
だから異なる人に無闇に勧めるのが意味がないのではなく、
「こういう人が作った配列なので、
好みや得意不得意が好きな人はどうぞ」
と言う方がいいと思っている。
でもそんなの、他人を見ないと自分がどうかなんて分からない。
だからやっぱり色々触ってみて、
自分がどうなのかを把握していくしかないと思う。
2020年06月01日
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