2020年06月01日

【薙刀式】空間方向の手間と時間方向の手間

どっちを面倒と思うのか、人によるのだろうか。


空間方向の手間とは、
4段とか、小指外とか、QPTYなどの打ちづらいキーとか、
左右の手の同期連動(同時打鍵など)、
とする。

時間方向の手間とは、
順次打鍵の手数の多さとする。

同時打鍵によって、この手間を稼げる。
しかし空間方向の手間が増えるわけだ。


何を手間と思うかは、
人によって異なるかも知れない。

僕は同時打鍵の方が順次打鍵より手間を稼げていると思う。
薙刀式は最大3キー同時だけど、
左1右2の法則なので、これは全然苦じゃない。

これに左2右1が混じったら、ダメだったかも知れない。
どうも僕はミラー現象に弱くて、
親指シフトの逆手シフトが苦手だった。
でも下駄配列の逆手の中指シフトと薬指シフトは、
全然苦じゃなかった。
法則はわからない。
4指の範囲の同時打鍵は、ペアになりやすいのかもだ。

同手逆手を使い分ける空間方向の手間は、
僕には負担のようだ。

月配列系の、同手と逆手で面を変えるのも、
いいアイデアだと思うけど、
僕は苦手だなあ。
これは順次打鍵で手間がかかっていることと混ざってるので、
どっちがどっちとも言えないが。


同時打鍵が苦手な人は、
時間方向の手間のほうが、空間方向の手間より、
楽だと思うのだろう。

僕はそうではなく、
なるべく圧縮して送り出したいのかもしれない。

大阪人はイラチの民族性だ。
結果がすぐ出ない手間には比較的厳しい。
そういう文化で育ったことも関係ありそうだ。
(エレベーターがなかなか来ないときに、
ボタンを連打するのは大阪人だけらしい。
時間方向の手間を嫌うんだよな)



僕はそもそも頭の中の言葉が、
手元で蒸発していくのが嫌で、
配列をなんとかしようと思い立った。
だから根本的には、時間方向の手間を圧縮したいんだと思う。

頭の中の文章生成速度に、
手がついてこないことを、
改良しようと思ったわけだ。

喋るのでよければ、オタクの早口になればいい。
略語や造語や隠語を使えばさらに速くなる。
最悪、あの、あれで圧縮できるし。

手書きならば崩し字や続け字を使える。
動画でも示したけど僕の字はとても省略されている。
「。」は「.」だし、「る」は一巻き半の渦巻のようだ。
これは頭の良い人の特徴らしい。
文の生成速度に、手を追い付かせる手段なのだろう。

そういえば京大の某教授は、
中国の簡体字を日本語の中に常用していて、
板書もそうしていた。
その方が画数が少なくて楽で速いのだと言ってた。
(まことに京大は変態揃いだ。ほめてます)


カタナ式をつくったあと、
「蛸式」というローマ字配列を作ったことがある。
中段に子音が並んでいて、
それを打った後に8方向に母音が出現する、
二打系のフリックみたいな配列。
カーブフリックみたいにその後3打で拗音変化出来る様にしたりしていた。
これも、「打ったキーのすぐ隣を打てば早いやろ」
と考えてのことだ。
試作だけしたけど、カナの二連接三連接が速く打てるわけではないので、
カタナ式の方が指の軌道は洗練されてた記憶がある。

僕はだから、時間方向の手間を減らしたいのだろう。

月配列を触ったけどダメだったのは、
同時打鍵を経験したあとでは、
二打がとてつもなく面倒に思えたからだ。

拗音外来音の1モーラを1アクション同時押しで打てる下駄をやったあとでは、
左右交互で速く打てるように設計されている、
飛鳥配列の拗音2打ですら、
とても遅く思えた。

遅いというより手間なのだろう。
脳に手がついていくには、僕には時間方向の圧縮が必要だったのかも。



空間方向の手間では、
4段はやっぱ無理だな。小指外もきらい。
QPTYも嫌で、Z/も嫌だなあ。
そもそも小指と薬指を使うのも嫌だなあ。
出来れば右手人差し指一本にならないかな。笑

カタナ式のローマ字という順次打鍵と天秤にかけて、
小指と薬指を使う薙刀式を使っているのも、
僕は時間方向の手間をより嫌うのだろう。


また、いろは坂はまた別のベクトルだ。
空間方向を範囲で広げたかわりに、時間方向の手間を単打にしたわけだ。
(前置後置という順次打鍵にして、同時打鍵にしなかったのは、
作者の好みや手癖だろうか)


「○○方式がよい」
というとき、その無意識の判断に、
こうした得意不得意とか、好みの判断が含まれていることがある。
だから異なる人に無闇に勧めるのが意味がないのではなく、
「こういう人が作った配列なので、
好みや得意不得意が好きな人はどうぞ」
と言う方がいいと思っている。

でもそんなの、他人を見ないと自分がどうかなんて分からない。
だからやっぱり色々触ってみて、
自分がどうなのかを把握していくしかないと思う。
posted by おおおかとしひこ at 20:29| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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