2020年06月05日

デジタルは人を幸せにしない: 新品と生活感

なにかの映画をHDのマスモニ
(マスターモニター。プロ用のフルHD非圧縮が出る)
でチェックしたときに思ったこと。

部屋が嘘っぽい。
「その人が住んでる部屋」に見えず、
「新品ばかり置いてあるモデルルーム」に見える。


ホコリひとつない感じも気になった。
美術部が綺麗に掃除したんだろうね。

小物は大抵レンタル品だから、
新品同様になってるものが多い。
(使い込んだものはまた別途レンタルなんだよな)


フィルムだったころは、こういうのがいい具合になじんだ。
でもHDビデオだとそこまで写ってしまう。

人の部屋というのは、
そこまで新品だらけなわけがない。
新築新婚という設定以外は、
汚れやヨレや壊れなじみなどがあるものだ。

そういうところまできちんと嘘をつくとすると、
嘘つき代がかかる。
つまりコストが増えるわけだ。

そのコストをかけないと、
嘘くさい映画になってしまう。
美術費が特別増えた話は聞かない。

つまり、HD化して、
嘘くさい映画が増えたわけだ。


色々なことが本末転倒だと思う。
posted by おおおかとしひこ at 01:20| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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